勉強前に知っておきたい!効率を高める環境づくり
最初に必要なのは「質」より「量」
勉強にあたって、質の高い学びが大切と言われる事もありますが、実は勉強の成果を出すためには質よりも量の方が重要です。
一見、量を求めることは効率が悪いようにも思えますが、実際に、東大や京大に合格した人も同じ参考書を1冊3周行っており、目移りしないで何度も解きなおす勉強方法を実践しています。
また、勉強だけでなく何事も成功には「10,000時間の法則」というものがあり、結果を残すためにはこれだけ多くの時間を費やす必要があると言われています。
勉強の成果はすぐに出るものばかりではなく、必ず失敗したり停滞期に見舞われる事がありますが、コツコツと学び続ける事が意外にも最も効率的な方法なのです。
効率アップには短時間でも毎日の継続が大切
勉強した内容を脳に定着させるためには、情報を伝達する脳細胞・シナプスを効率良く働かせることが大切です。
実はシナプスは、「短く」「何度も」「繰り返し」使うことで情報伝達がスムーズに行えるようになり、さらにシナプスそのものを太く強化して伝達効率を上げることが出来るようになります。
つまり、1週間の勉強時間が合計30時間の場合、1日10時間を週3日行うよりも、1日4~4.5時間を週7日行った方が効率良く勉強できるという事です。
普段勉強する習慣がないと、テスト前になって慌てて一夜漬けをしてしまいますが、翌日のテストで得点できても知識は脳に定着されないため、結局また勉強しなおさなければなりません。
先にも、質より量が重要とお伝えしましたが、効率を求めるからこそ毎日勉強する習慣をつけ、こなせる量を増やすことが大切です。
ストップウォッチと方眼紙で勉強時間を記録する
1日の勉強時間を記録することで、自分の努力の成果が可視化され、モチベーションを上げて効率良く勉強を進められるようになります。
勉強の合間には休憩時間や食事時間、お手洗いなども行いますので、時計ではなくストップウォッチを使って正確にカウントしましょう。
また、1日あたりの目標時間を定めることでプレッシャーをかけると、勉強効率が高まって無駄な時間を省くことが可能です。
なかなか勉強の集中力が続かないという人は、「受験勉強のやる気がでない!そんな時の対処法と続く勉強方法」で集中できない人向けの秘策を紹介していますので、併せて取り入れてみましょう。
勉強時間は数字よりも「色と長さ」で記録する
1日あたりの勉強時間は毎日記録することで、努力の成果が分かるため、やる気の継続につながり、効率的な勉強を促します。
この際、時間を数字で書くと頑張りが分かりにくいので、方眼紙を使った「塗り絵勉強法」を取り入れましょう。
塗り絵勉強法は、自分が行う各勉強科目を色分けし、勉強15分ごとに1マスずつ該当の色で塗っていくだけです。
1日ごとに行を変えるのではなく、今日の分は前日終了した右横のマスから、日付を書いて塗り始めていき、1ページすべて塗りつぶすようにしましょう。
これを行うことで、自分の勉強の努力が目に見えて分かるようになるだけでなく、最近不足している勉強科目も一目で分かるようになります。
科目ごとの色分けは、「国数英理社」とアバウトに分けるのではなく、ペンの色をできるだけ豊富に用意して「現代文、古文・漢文、日本史、世界史、化学…」といったように細かく設定しましょう。
勉強環境は常に変えるのがベスト!
人の脳には「文脈依存(文脈一致)記憶」という機能があり、場所と情報を連動して記憶することで、脳から情報を引き出しやすくする効果があります。
たとえば、いつも自分の部屋で勉強している人が「図書館」と「自分の部屋」でテストを受けた場合、自分の部屋の方が記憶を思い出しやすく、問題の正答率が高まるという事です。
これだけを聞くと、「常に同じ場所で勉強した方が、効率が良いじゃないか」と思いますが、これが大きな落とし穴です。
学校のテストは各教室で行われますし、入試や模試は学校以外の試験会場で受験しなければなりません。
つまり、自分が力を発揮したい環境が常に一定という訳ではありませんので、文脈依存記憶に頼ることなく、どのような場所でも知識を取り出せるようにする必要があるのです。
そのため、日ごろから勉強の環境を変えることで、どのような状況でもきちんと成果を上げられるようにしておくことが大切になります。
環境変化は集中力アップにも効果的
常に同じ環境で勉強をしていると、脳が受ける刺激が毎日変わらないため、次第に集中力が低下してしまいます。
勉強の環境を変えることは、新しい刺激を受けることになり、集中して取り組めるようにもなるのです。
自分の部屋、リビング、自習室、図書館、近所のカフェといったように、いくつか勉強場所を作っておき、毎日変化をつけて勉強するよう心がけてください。
ただし、テストや入試は静かな環境で行われる事が多いため、試験前にはできるだけ騒がしくない環境で取り組むようにしましょう。
効果的に成績を伸ばす!効率アップが期待できる勉強方法5選
単元の全容を把握してから細部を勉強
物事は何でもそうですが、急に細かい話や専門的な事を言われても、全体像を把握していないと理解が及びません。
これは勉強する時も同じで、急に部分的な問題や暗記をはじめるのではなく、全容を頭に入れてから行うことで、知識を結び付けやすくなり、効率良く学ぶことが可能になります。
テスト形式で実力試しをしたい場合を除き、基本的には行う単元や問題に関する教科書・参考書の説明を読み、概要や流れを掴んでから問題を解いてみましょう。
特に、日本史や世界史は流れが理解できていないと覚えにくいため、必ずそれまでの過程もおさらいしておきます。
「夜-朝勉強法」で効率良く記憶を定着
成績を上げたり、正答率を高めるためには、「脳に情報を保存(記銘)→保存した情報を忘れない(保持)→保存した情報を思い出す(想起)」という3つのステップを、どれだけ効率良く行えるかが重要です。
脳の記憶は寝ている間に整理し、定着させることから、2つ目の「保持」が睡眠にあたる事を考えると、記銘は寝る前、想起は起床後に行うと効率的という事が分かります。
つまり、1日4時間勉強する人であれば、夜2時間と朝2時間に勉強時間を分けた方が、より学習効果が高まるという事なのです。
ちなみに、睡眠の間に整理される記憶は、新しいもの(寝る直前の情報)から行われていきますので、寝る前にゲームをしたりSNSを見るよりも、勉強に役立つ情報をインプットした方が効率的です。
たとえば、スタディサプリのような映像授業であれば、スマホ1つでどこでも閲覧でき、わざわざテキストや教科書を開く必要はありませんので、手間なく夜の勉強が行えます。
京大生も実践している!青色万年筆で書きなぐり
色彩に心理効果があることはよく知られていますが、勉強に活用したいのが「青色」です。
青は副交感神経を働かせることで、気持ちを落ち着かせるとともに、脳内でセロトニンというホルモンの分泌を促進します。
このセロトニンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれており、ストレス軽減やリラクゼーション、集中力向上などの効果をもたらすのです。
このため、ノートに文字を書く時は、手が疲れにくい万年筆の青色インクを使うと、勉強効率が高まります。
さらに、文字を書く時は書きなぐるようにし、文字の間違いなどがあっても訂正せずにとにかく進めましょう。
人間の脳はミスした体験を覚えやすいため、書き間違いをすることで逆にその内容をよく記憶することができるのです。
苦手科目は「7回繰り返し」で脳が勝手に覚えてくれる
勉強の効率を下げる1つの要因として、苦手な科目や単元につまづき、やる気をそがれてしまうという事があります。
誰にでも苦手な勉強はありますし、人によっては勉強自体が苦手という人もいますが、そんな時にオススメしたいのが「7回繰り返し」です。
脳は反復した情報を記憶する性質があるため、苦手で覚えにくいものほどただ繰り返すだけで、脳が勝手に記憶してくれます。
教科書や参考書を7回読む、同じ問題を7回解く、授業動画を7回閲覧するなど、とにかく同じ情報を頭にインプットすることを心がけましょう。
また、脳に与える刺激はできるだけ多い方が効率良く情報が定着するため、音読する、マーカー線を引く、重要箇所をメモするなど視覚以外も使うとより効果的です。
全ての勉強を1日7回繰り返すのは難しいですが、数日かけて7回反復してもOKなので、同じ問題を1日2回、4日間に渡って解いていくという繰り返し方でも構いません。
また、映像授業であればスキマ時間を活用できるので、移動時間や待ち時間なども反復学習に充てることが可能です。