勉強をしていてストレスを感じるのはなぜ?
①勉強をするのが苦痛だから
勉強がスムーズに進んでいる時はそれほどストレスに感じませんが、理解できない所が出てくると次第に苦痛が生じてきます。
出来ない勉強が増えれば増えるほどやる気を低下させてしまい、ストレスが溜まってパフォーマンスが低下してしまうのです。
実際に、東北大学加齢医学研究所教授の瀧氏によると、脳のパフォーマンスは感情によって左右されるため、ネガティブに感じるとストレスホルモンが分泌され、海馬や前頭前野が委縮するという事が分かっています。
②努力と結果に差があるから
高い目標を持って懸命に努力をしていても、実際の点数や成績に反映されないとこれもストレスの原因になります。
新宿ストレスクリニックの渡邊氏は、努力と実際の成績にあるギャップがストレッサー(ストレスの原因)になると解説しています。
頑張れば頑張るほど、思うような結果が出ない時にストレスが溜まってしまうので、向上心のある人は注意が必要です。
③勉強時間が長すぎるから
人間の集中力が続くのは約90分ほどで、その中でも高い集中力を保てる時間は約15分だと言われています。
タブレット学習・教育のメリットでも紹介していますが、勉強は長時間じっと行うよりも、15分ほどの短時間で繰り返し行った方が効率的です。
勉強時間を長く取りすぎてしまうと、集中力が続かないことへの焦りや苛立ち、面倒になってくることがストレスになってしまいます。
勉強のストレスは放置しすぎてはダメ!
「勉強でストレスが溜まるのは当然」「自分だけじゃないから」とストレスを放置していると、心身に支障を来す恐れがあります。
最初はちょっと具合が悪い、疲れを感じるといった程度でも、次第に不眠や不安感、情緒不安定など症状が増えてしまうので注意が必要です。
ストレスを抱え込みすぎてしまうと、頑張ることを諦めてしまう「学習性無力感(燃え尽き症候群)」につながることもあります。
結果的に、努力は実らないという体験が続くと勉強自体が嫌になってしまいますので、早めに解消しておくことが肝心です。
ストレス解消にはこんな方法がおすすめ
趣味や好きな事に興じる
ストレスを感じている時は、脳内でストレスホルモン「コルチゾール」が分泌されている状態です。
自分の好きな事に没頭している時間は、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」が分泌されることで、ストレスを鎮静化させることができます。
受験勉強のように時間と勝負をしている時は趣味などを封印する人も多いですが、ストレス解消になって勉強のやる気を出したり、モチベーションアップにも繋がるので、適度な時間であればお勧めです。
ただし、好きな事ばかりに時間を取られてしまわないよう、しっかりと時間を管理して楽しんでください。
軽めの運動をする
運動をする事で血行が促進されたり、体が温まると、筋肉の緊張がほぐれるとともに、リラックスできる副交感神経が優位になります。
また、運動で達成感・満足感を得たり、技術や記録の向上といったポジティブな変化を実感すると、自信を回復する効果があるとも言われているのです。
勉強中は机に向かいっぱなしで、体を動かす機会も少なく睡眠の質が低下しやすいですが、この点も運動が効果的だと言われています。
質の良い睡眠が取れるとストレス軽減にもつながり、勉強効果も高まりますので、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動を取り入れてみましょう。
ぬるめのお風呂につかる
体の血流を促進するためには、運動だけでなく、湯船に浸かって入浴するのもオススメです。
ただしこの際、熱いお風呂に入ってしまうと交感神経が高ぶってしまうので、ストレス解消には38~40℃程度のぬるめのお湯に10~20分浸かるのが最適です。
ゆっくり体を温めることで深部体温が下がりやすくなるため、就寝前の入浴に特に良い方法と言えます。
逆に、元気を取り戻して勉強のやる気を高めたいという場合は、42~43℃のあつめのお湯に5分ほど短時間で浸かると良いでしょう。
つらいと感じる事を他人に話す
勉強によるストレスが溜まりすぎている時は、家族や友人に気持ちを打ち明けるだけでもストレス解消になります。
自分が今何に困っているのか、どんな事がつらいのかを話すことにより、脳内が整理されて本当に解決すべき事が見えてくるのです。
また、自分の事を自分で話すことで悩みやストレスの全体像を把握でき、具体的な改善にも結び付くのでおすすめです。
また、勉強のモチベーションを上げる秘策で触れていますが、他人に自分が勉強を教えることはやる気アップにも繋がりますので、心の内を話した後は一緒に勉強するのも良いでしょう。
生活習慣・リズムを整える
テストや入試の直前になると深夜まで勉強する学生が多いですが、基本的には朝起きで夜寝るという習慣を崩さない方が勉強には効率的です。
生活リズムが崩れると自律神経の乱れにつながり、集中力の低下を招いたり、ストレスを感じやすくなってしまいます。
勉強に集中したい大切な時期だからこそ、生活習慣を整えて、ストレス耐性の高い健康な体を維持しましょう。
勉強することがストレス解消にも!
自分の目標・目的を確認する
勉強自体がストレスになっている場合は、まずはモチベーションを高めるために勉強の目標や目的を明確にしてみましょう。
具体的な成績や志望校などをきちんと文字や言葉にして表現することで、何のために勉強しているのか認識することができ、意欲向上につながります。
壮大な目標・目的でなくても構いませんので、叶った時の自分をイメージしながら考えてみましょう。
また、心理学には具体的な目標を毎日イメージすることで、希望する結果に向けて無意識に行動を向ける「引き寄せの法則」というものもあります。
自分の目指す先をしっかりと見据えたら、毎日勉強の前や1日のはじまりなどに叶った自分をイメージしてみましょう。
ストレスを感じるタイミングから改善策を立てる
そもそも勉強をする事自体がストレスだという方もいますが、細かく見てみると、ストレスをより感じやすい場面に共通点が出てきます。
「数学の勉強をしている時」「解けない問題が出てきた時」など、自分のパターンを把握してみましょう。
どんな時にストレスを感じるのかが分かれば、できるだけその状況にならないよう勉強方法を工夫することで、過度なストレスを避けることが可能です。
勉強のハードルを低くする
勉強のストレスを軽減し、継続的に取り組む秘訣は、毎日の勉強のハードルを低く設定するという事です。
目標を立てる事は重要ですが、現実的でない内容を定めてしまったり、焦りから高いハードルを設定してしまうと、毎日が挫折の連続となってしまいストレスを感じてしまいます。
1日1日達成感を感じることで継続的な勉強につながるため、ちょっと手を伸ばせば届きそうなくらいのハードルを設定してみましょう。
勉強時間にリミットを設ける
できるだけ多く勉強しよう長時間机に向かい続けてしまうと、集中力が途切れて効率が下がり、ストレスが溜まる原因になってしまいます。
解消方法という訳ではありませんが、勉強時間を短く区切って行うことで、しっかりと取り組むことができストレスが溜まりにくくなるでしょう。
また、目先のゴールが見えていれば勉強にも励みやすく、自分のモチベーションもコントロールしやすくなるのでおすすめです。
なお、時間制限を設けてもなかなか集中して勉強に取り組めないという時は、音楽の効果を取り入れてみましょう。
具体的には勉強の集中力を高めるBGM・音楽で紹介していますので、参考にしてみてください。