どうやったら暗記ができる?脳の仕組みと暗記のコツ
短期記憶は7個前後が限界
暗記した内容を直後に振り返ると覚えている確率が高いですが、これは「短期記憶」と呼ばれる一時的な記憶です。
個人差はありますが、人間が短期記憶できる量は7個前後だと言われており、たくさんの内容を一瞬で覚えることはほぼできません。
さらに、短期記憶の持続時間は10~30秒ほど、長いものでも数日程度と言われているので、1度学んだことを長く記憶するのは至難の業です。
長期記憶するポイントは「繰り返し」
短期記憶とは反対に、年単位という長い間忘れる事のない情報の覚え方を「長期記憶」と呼びます。
せっかく勉強で暗記したものは、できるだけ長く情報を留めておきたいものですが、短期記憶からいかに長期記憶へと移行できるかがポイントとなります。
長期記憶をするためのコツは唯一、繰り返し何度も暗記することにあり、何度も覚えなおすことで脳に定着することが可能です。
脳内に一度保存された情報は忘れない!
長期記憶は大脳皮質と呼ばれる場所に情報が保存されますが、ここにある神経細胞の容量は無限と言われており、理論的には「覚えられない」という事はありません。
もちろん、1度に覚える量が多いほど難易度は高くなりますが、脳の容量がいっぱいになる事はないため、コツコツと暗記を行えば必ず記憶に残ります。
ただし、長期記憶として保存される期間は、どの程度の頻度で情報が使用されるかにも左右されるため、テストや受験の本番までは特に頻繁に繰り返すと良いでしょう。
暗記に苦戦するたった3つの原因
①覚えたつもりになっているだけ
繰り返し勉強していないにも関わらず、ドリルやテストの問題を1度解いて正解すると、まるでもう覚えているかのように錯覚してしまいます。
しかし、実際には長期記憶として定着されていないため、暗記したつもりがすぐに忘れてしまうのです。
暗記したい内容をしっかりと覚えるためには、分かった気になっても今一度、繰り返し確認・記憶を行いましょう。
②自分に合ってない暗記方法を使っている
記憶に関する人の特徴は、「視覚的情報を覚えるのが得意な人」「耳で聞いた情報を覚えるのが得意な人」「体の運動と連動した記憶が得意な人」の3種類に大別されます。
たとえば、聴覚が優位な人がいくら単語帳とにらめっこをしても、なかなか情報が記憶に結び付かず、余計に苦労してしまうという訳です。
暗記をする前には自分がどの特徴に当てはまるのかを理解すると、効率良く覚えられる暗記の方法が分かります。
また、どの特徴に当てはまるのかよく分からないという場合は、「歩き回りながら、文字を見つつ、声に出して覚える」というように3つの要素を全て取り入れてみましょう。
③暗記するものの意味を理解できていない
暗記の時に特に記憶への定着を促すのが、自分の生活と結び付けたり、その意味を理解するなど、補足情報を追加することです。
一見、覚える情報量が多くなるため記憶しづらくなりそうですが、「なるほど」「確かに」といった腑に落ちることで、より理解が強まり、覚えやすくなるのです。
自分の身近なものに関連しづらい内容の場合、言葉や説明の意味まで踏み込んで理解することで、記憶しやすくなると言われています。
記憶に定着しやすくなる暗記方法
小テストを繰り返す
暗記した内容を長期記憶にとどめるためには、繰り返しインプット・アウトプットをすることが必要です。
そのため、1度覚えたらそのままにするのではなく、こまめに小テストを繰り返していくことが大切です。
なかなか記憶できない内容も、何度も繰り返し暗記をすることで必ず定着させることが可能ですので、諦めずに続けましょう。
勉強ペースを落とさない
暗記する情報の量が多ければ多いほど、繰り返し勉強しなければならない頻度が増えていきます。
そのため、暗記のペースはできるだけ落とさず、インプットすることよりもアウトプットすることに注力しましょう。
しっかり覚えられなかったとしても、繰り返し情報を頭に入れることで暗記できるようになるため、無理に1度で覚えようとしないことが肝心です。
古い情報と新しい情報を混ぜて覚える
繰り返しの必要な暗記の勉強は、同じ内容ばかりを行うのではなく、どんどん新しい内容を追加していきましょう。
1度暗記した内容は2日目に振り返り、さらに2日目に間違えた内容を3日目にやり直す・・・といったように、繰り返しは重視しつつも少しずつ古い内容を減らし、その分新しい暗記を行います。
さらに、1週間に1度のようにキリの良いタイミングで総復習を行えば、全体の確認もすることができるのでオススメです。
単語は例文とセットにする
暗記の中でも単調で覚えにくい単語類は、その言葉と意味に加え、例文もあわせて覚えましょう。
例文をセットにすることでその意味を記憶しやすくするだけでなく、他の単語や文法も一緒に覚えることができるので一石二鳥です。
例文は教科書に載っているような文章でも構いませんが、自分が覚えやすいように興味のある内容へ変えればより暗記しやすくなります。
理系科目には動画を使うのが有効
数学、化学、生物のような理数系の科目の場合、単純な公式だけでは活用しづらいケースも多くあります。
動作や働きなどのイメージを加えることで暗記しやすくなりますが、この際に活用できるのが動画です。
教科書や参考書といった紙の教材を使っていると、どうしてもこのイメージ理解が不足しますので、理系が苦手という方はタブレット学習のようなオンライン教材を活用すると覚えやすくなります。
オンライン学習を使っておらずこれから検討したいという方は、「口コミで選ぶオンライン学習教材ランキング」でオススメ教材をご紹介していますので、併せて確認してみましょう。