やる気がでない原因と対策
思った様な結果が出ず、モチベーションが下がった
毎日繰り返し勉強し、塾や予備校にも通っているのに、テストや模試で思う様に成績が上がらなかったり、問題を何度も間違えてしまうと、モチベーションが下がってやる気が削がれるものです。
受験は、志望校合格に向かって突き進んで行くため、結果が伴わなければやる気が出なくなってしまうというのも当然と言えます。
でも実は、やる気が出ない中でもこの原因に当てはまる人は、成績アップのチャンスが到来している最中なのです。
必ず訪れる「停滞期」を乗り越えることが合格への一歩!
勉強には「成長の二次曲線」というものがあり、勉強し始めたからといってすぐに成績が上がる訳ではありません。
勉強し始めたころや、ある一定のレベルに達してしまうと、しばらくの間は成績が伸び悩む時期(停滞期)が訪れます。
この停滞期はいわば「冬」のようなもので、その時期が過ぎると、急激に成績が上がる春の時期に突入することができます。
成績が上がらないと「無駄なのかも」「いつまで続くんだろう」と不安になるものですが、目先の結果ではなく長期的な結果に目を向けて、辛抱強く受験勉強を続けることが大切です。
この停滞期がどの程度続くかは個人差があり、2か月で終わる人もいれば半年かかる人もいます。
受験生にとっては、「どれだけ諦めずに、自分を信じて粘り強く勉強を続けられるか」が勝負を左右しますので、少しずつでも勉強を続けましょう。
何のために勉強しているのか分からない
漠然とした「受験」という目標に向かって勉強している人は、勉強の辛い時期が訪れると、自分が何のために勉強しているのか分からなくなり、やる気が出なくなってしまうことがあります。
これは、「A大学で○○がやりたい!」「どうしてもB高校に入りたい!」といった具体的な目標がないまま、何となく周りの流れに乗って受験を迎えようとしている人に多く見られます。
「部活と勉強を両立するには?無理のない学習計画の立て方」にもありますが、勉強への目的を持つことは、受験生に関わらず全ての学生にとって大切なことです。
全受験生が将来の夢や強い動機を持っている必要はありませんが、リアルに受験や入学をイメージできている人の方が、受験勉強へのモチベーションが保ちやすくなります。
入学後の自分を想像してやる気を引き出す!
このパターンに当てはまる人は、面接があると仮定して、自分の志望動機や入学後の抱負など質問例に対する回答を考えてみましょう。
「なぜその学校でなければならないのか」「なぜその勉強がしたいのか」「入学してどの様な大学生活を送りたいか」などを具体的にイメージ出来る様になると、受験勉強に対しても意欲が湧いてきます。
また、改めて学校案内を読んでみたり、オープンキャンパスや学校見学の様子を思い返してみるのも良いでしょう。
受験はあくまでも「過程のひとつ」であり、人生の「ゴール」ではありません。
入学後の自分の姿をポジティブに想像し、自分なりの目標をしっかりと持つことで、やる気を引き出しましょう。
毎日勉強ばかりで気が滅入る、遊びたい
受験勉強は反復練習も多く、苦手な問題を進んでやらなければならないなど、大変なことも多いものです。
ただでさえ、趣味や遊びの時間を勉強に割いている訳ですし、受験勉強の期間は長いですから、勉強ばかり続いているとやる気が出なくなってしまう事もあります。
受験を前にすると、暗黙の「遊んではいけないルール」が雰囲気になり、親からは「遊んでないで勉強しなさい」と言われることもあるかもしれませんが、合格への道のりでは遊ぶことも大切です。
受験には「勉強しない時間」を上手く取り入れて!
趣味や遊びの時間は、受験生にとってリフレッシュの時間となり、気持ちを切り替えることで勉強への意欲も出てきます。
大切なのは、遊びと受験勉強のバランスやメリハリのある生活であって、決して遊んではいけないという事はありません。
ただし、辛い勉強に対して遊びは楽しいものですので、自分でコントロールしないと勉強が疎かになる危険性もあります。
そのため、「10問解いたら漫画を1章読んで良い」「18時から1時間は趣味の時間」など具体的にタイムスケジュールを立てて、遊びすぎない様な工夫をしましょう。
集中できない、集中力が続かない
勉強していてもなかなか集中できず、注意が散漫になってしまう経験は、誰にでもあることです。
集中力には、合格したことの喜びやメリットを想像して「頑張るぞ!」と気持ちを向上させることで発揮できる「攻めの集中」と、不合格だった時の悲しみや怒りなどネガティブな想像で「勉強しないとヤバい!」と危機感を持ち発揮する「守りの集中」とがあります。
自分の今の気持ちがどちらに近いかによって、効果的な対処法を行うことが大切です。
タイプ別!集中力アップの秘策
頑張りたいけど、なぜか頑張れない…そんな攻めの集中タイプの人は、短い目標を設定し、クリアした時のご褒美を設けてみましょう。
「30分勉強したら、おやつを食べて良い」「10問中8問正解したら、30分ゲームができる」など達成した時の喜びを作ることで、脳内でドーパミンが分泌され、受験勉強への意欲が高まります。
逆に、勉強しなきゃヤバいのに、集中できない…という守りの集中タイプの人は、制限時間や締め切りなどのデッドラインを設け、強制的にせざるを得ない状況を作りましょう。
「あと○分しかない!」「このままじゃ終わらない」という緊張状態を作ることで、脳内にノルアドレナリンが分泌されて警戒状態を作り、自分を守るために集中力が高められます。
スマホ操作や部屋の掃除など、違う事をしてしまう
勉強しているとつい漫画を読んでしまう、スマホをいじってしまう、部屋の掃除をしてしまう…そんな経験をした事があるのではないでしょうか。
実はこの行動は「セルフハンディキャッピング」と言い、自分が試されている場面で自信が無かったり、評価される確信がないと、自らハンデを作ることで心理的ダメージを軽減させようとします。
つまり、もしテストで点数が悪かったり、目標が達成できなくても「漫画を読んでしまったのが原因で、自分の学力のせいではない」と言い訳ができる状況を作り、自分が傷つかない様にしているのです。
また、もしテストの点数が良かったり、目標が達成できた時には「ハンデがあったのにできた!自分は凄い!」と自分を褒める事も出来る様になっています。
環境整備と超短期目標の設定を!
この項目に当てはまる人は、やる気が出ないのではなく「物事によって、やる気を削がれている」ということになります。
集中して勉強するためには、とにかく集中力を削ぐ因子を環境から排除しましょう。
部屋の掃除は予め済ませておき、漫画やテレビ、ゲームなど興味を持ちそうな物は視界に入らない様にします。
スマホも勉強に使わないのであれば、電源を切って鞄の中にしまっておくか、部屋の外に置いておきます。
また、「とにかく15分勉強する」「数学を5問解く」など自分がこなせる範囲の超短期目標を作り、目移りする時間を極力作らない様にすることも効果的です。
やる気がでない時でも続けられる勉強法はある?
とにかく机に向かい、勉強を始める
やる気がない状態で机に向かうのは嫌かもしれませんが、勉強モードは勉強を始めなければいつまで経っても到来しません。
集中できなくても、やる気が出なくても、遊びの誘惑に負けず、とにかく勉強を始めることが何よりも大切です。
気が進まなくても勉強を始めると、思いのほか集中できたり、勉強に気持ちが向かうこともあります。
最初は5分だけでもOK!
「どうしても勉強したくない!」という時は、まずは5分だけ、1問だけでも良いので始めてみましょう。
「5分やったら5分休憩」というのは何とも非効率な気がしますが、やる気がでない時は効率よりも意欲を持つことの方が重要です。
少しずつ、勉強時間や問題数を増やしていき、成功体験を積み重ねてみましょう。
環境を変えて勉強してみる
いつも同じ環境で一人で淡々と受験勉強を続けると、刺激がなく集中力が持たなくなってしまいます。
普段あまり勉強しない場所に行き、環境を変えてみるのもオススメです。
受験勉強がはかどるのであれば、それは自分の部屋や自習室である必要はありません。
自宅のダイニング、トイレ、公園、カフェなど、新たな刺激の中で勉強してみると、意外と集中できます。
友達と一緒に話しながら勉強するのも良い!
自習室や図書館など一部の環境では、周囲の人と会話してはいけないという所もありますが、やる気が出ない時は友達と一緒におしゃべりしながら勉強するのも良いでしょう。
私語ばかりでは良くありませんが、「この問題どうやって解くの?」「こんな覚え方あったよ!」など受験勉強に関する会話をすることで、一人で煮詰まることなく取り組めます。
また、問題の解き方を解説するなど自分が相手に教えてあげることで、脳内が整理され、勉強内容の定着力もアップします。
1回の勉強時間を短くしてみる
しばらく集中できていない、もうすぐ試験があるなど今すぐ集中したいという時には、短時間の作業を繰り返すポモドーロ・テクニックがオススメです。
「25分勉強、5分休憩」これを4回繰り返し、4回目が終わったら30分間の休憩を挟みます。
勉強時間を短時間にすることで集中力を持続させることができ、更にやる気が出ない時でも無理なく勉強を続けられる負荷になっています。
勉強時間が短いことに不安を感じる人もいるかもしれませんが、「タブレットを使った教育はなぜ人気?メリットを徹底解説!」でも紹介している様に、短時間の方が質の高い効率的な勉強ができると言われています。
この方法の中で最も優先すべきなのは「時間」で、問題が解き途中でも必ず時間通りに休憩を取りましょう。
ポモドーロ・テクニックを応用すると効果大!
このテクニックの効果を上げるためには、4サイクル(25分×4回)の時間の中でどこまで勉強を進めるか、このサイクルを何回続けるかの2つの目標を立ててから始めましょう。
終わりの見えない勉強はやる気が出ないものですが、終わりが決まっていると意欲的に取り組める様になります。
また、休憩時間になっても参考書やノートは閉じず、そのままの状態にしておきます。
中途半端な状態で終えていると「最後まで終わらせたい」という心理が働き、休憩後の勉強に手が付けやすくなります。
切りの良い所で終わった場合は、次の勉強の準備をしてから休憩に入りましょう。