モチベーションを上げるカギは、その“意味”にあった!
モチベーション=動機付け
モチベーション(motivation)とは、人が行動・決定するときの動機付けや目的意識、きっかけのことを指します。
勉強に当てはめて考えると、「よし、勉強するぞ!」今日はここまで勉強を進めるぞ!」という意欲・やる気のことです。
どんなに勉強しなければならない環境に置かれていても、この意欲ややる気、きっかけがないとモチベーションが上がらず、なかなか集中できません。
勉強のモチベーションを上げるためには、どのような要素が関わっているのか知っておくと、行動に移しやすくなります。
モチベーションを構成する要素1.外発的動機付け
自分以外の人・コトから影響を受けることで、モチベーションを変化させることを「外発的動機付け」と言います。
「テストの点数が上がり、やる気が出る」「模試の判定が下がり、意欲を失う」「親や先生に褒められ、勉強への気持ちが湧く」などがこれに当てはまります。
短期間で効果が表れ、比較的誰にでも適用できるのですが、自分自身だけでモチベーションを上げることが出来ないのがデメリットです。
モチベーションを構成する要素2.内発的動機付け
自分自身の勉強への気持ちが変化することで、モチベーションを上げ下げすることを「内発的動機付け」と言います。
学ぶことへの興味・関心を持ったり、勉強中に達成感や満足感を感じることで、やる気を引き出せるという事です。
内発的動機付けを上手く行えると、周囲に影響されることなくモチベーションを維持・向上できるため、日々の勉強や長い受験勉強期間に役立ちます。
逆に、「勉強の意味が分からない」「他の事に強い興味を引かれてしまう」「達成感が得られない」といった状況になると、モチベーションの低下につながります。
モチベーションアップには、内発的動機付けのきっかけが大切!
つまり、勉強へのモチベーションを上げるためには、この内発的動機付けをいかにポジティブに行えるかがカギという事です。
自分自身が勉強への興味や関心を持ち、やりたい意欲を持つことが出来れば、モチベーションを上げることができる訳です。
また、勉強自体を前向きに捉えられなくても、「今日はよく勉強したなー!」「成長してるな!」と感じることができれば、自ずと勉強へのモチベーションが上がります。
他言無用!勉強へのモチベーションを上げる秘策とは
メタアウトカムで目標を明確化!
「モチベーションが上がっても、すぐに下がってしまう」「勉強自体に意味を見出せない」という人にオススメな方法です。
モチベーションの維持・向上のためには、何のために勉強するのか、勉強することで自分がどうなるのかを噛み砕いて理解することが大切です。
また、目標だけを意識してしまうと達成後に勉強へのモチベーションが急落してしまいますが、このメタアウトカムを行えば、目標を達成した後も意欲を持ち続けることが出来るため、特に入学後も大切な受験勉強に役立ちます。
紙とペンを用意して、下記のステップを行ってみましょう。
STEP1.目標を立てる
まずは勉強するための目標を、紙に書いてみましょう。
この目標は「○○大学に合格する」「テストで○点取る」など、自分なりのもので構いません。
また、この目標設定や次のステップでは、「こう思われなければならない」「こういうのが一般的だろう」という対外的な意識はやめて、自分自身で考えることが大切です。
STEP2.「何が得られるのか」を繰り返し問う
次に、「その目標が達成されることで、自分は何が得られるのか」を書いてみましょう。
出てきた答えに対して、また「自分は何が得られるのか」を問い、答えを書き、この作業を繰り返します。
例えば「A大学に合格する→(これで得られるもの)興味のある分野を一流の環境で行える→(これで得られるもの)より深い学び・成長、就職に有利→(これで得られるもの)・・・」という流れです。
この答えは、何個出てきても構いません。
次の問いでは、先に出てきた答えに対して、それぞれ考えてイメージを膨らませましょう。
自分が答えを出せなくなるまで、あるいは名詞で表現できるまで、問いを続けてください。
STEP3.「どんな意味・意義があるか」を繰り返し問う
STEP2と同じ様に、今度は目標に対して「どんな意味・意義があるか」を繰り返し問い続けてみましょう。
こちらも自分が答えを出せなくなるか、名詞で表現できるまで問いを続けてみてください。
友達や後輩、家族に積極的に勉強を教える
アメリカの心理学者であるマズローは、自己実現のために人間は成長するという考え方に基づいて、「5段階の欲求」が生まれるという理論を提唱しました。
その中には、誰でも周りの人に認められたいという「承認欲求」があるとされています。
友だちや後輩、妹・弟が勉強に躓いていたり、分からず困っている時に自分が積極的に勉強を教えてあげることで、感謝され、褒められ、尊敬されることができます。
この気持ちが自己肯定感になり、自分自身の勉強へのモチベーションアップへとつながるのです。
この際、教える勉強は今自分に必要な内容や、同じレベルの問題でなくても構いません。
また、問題の答えや参考書を見ながら、分かりやすく教えてあげるという方法でもOKです。
「受験勉強のやる気がでない!そんな時の対処法と続く勉強方法」でも紹介していますが、誰かと一緒に勉強することもやる気やモチベーションには大切ですので、この点からも勉強を教えることは意味があります。
好きな科目・苦手な科目を交互に勉強する
人は達成感や満足感、自分自身の成長を感じることがきっかけとなり、モチベーションを上げたり、維持することができます。
自分の好きな科目や得意な勉強は捗り、モチベーションを高めながら進めることができますが、逆に苦手な科目や不得意な勉強はモチベーションを下げるきっかけになるという訳です。
つまり、好きな科目ばかりを集中して行うと後々溜まった勉強が苦しくなり、逆に苦手科目だけまとめて頑張ろうと思ってもなかなか進みません。
そこで、「まずは好きな科目から勉強をはじめ、次に苦手な科目を行い、また好きな科目を行い・・・」という具合に、交互に勉強を行ってみましょう。
勉強の“好き”と“嫌い”を順番に取り組むことで、モチベーションの低下を防ぐことができます。
この勉強法を取り入れる場合は、嫌いな科目や苦手な内容をできるだけ長く行わないために、1つ1つの勉強時間を少なめにしましょう。
各15~30分ずつ行うだけでも良いですし、問題集1ページずつでもOKです。
映像授業型のタブレット学習は、1授業約15分と短い時間で効率的に勉強できるので、少ない時間でも苦手分野をしっかりフォローできます。
問題を解く方が向いているという方は、問題集・ドリル型のタブレット学習を導入すれば、1単元ごとの内容があらかじめ決められているので、交互の勉強に役立ちます。
好きな音楽を聴きながら勉強する
恋愛では、「ジェットコースターやお化け屋敷に異性と行くと、好きになりやすくなる」という吊り橋効果が有名ですが、これが勉強にも一役買ってくれます。
自分の好きな音楽や応援するアーティストの声は、聴いているだけで気持ちが高まるものです。
この「音楽の気持ちの高まり」を「勉強の気持ちの高まり」と錯覚させることで、勉強を捗らせることができるのです。
自分の好きな音楽の中でも、できるだけテンションが上がる様なアップテンポの曲を選ぶと、よりモチベーションが向上しやすくなります。
どのような音楽を聴くのが適しているかは、勉強中の状況によって異なります。
具体的に効果的な音楽が知りたいという方は、「勉強中に聞くと良いBGMってどんなもの?集中力を高める音楽で効率アップ!」で紹介していますのでご覧ください。
また、前述の「好きな科目と交互に行う」という方法と組み合わせて行うのもオススメです。
ただし、「勉強の仕方がわからない学生必見!ここから始める勉強方法」で紹介していますが、記憶の定着には書く事と声に出すことが大切なので、暗記科目を行う時は音楽を聴きながらの勉強は、やめた方が良いでしょう。
こんな意外な事もモチベーションアップに!
勉強量を可視化する
勉強をしている中でモチベーションが下がる原因の1つに、自分の努力が目に見えて分からないという事があります。
テストや模試などで結果が分かる時は良いですが、普段の勉強ではなかなか自分で頑張りを実感することができません。
そこで、「勉強30分ごとに方眼紙のマス目を塗る」「暗記を10個覚えたら10円をペットボトルに入れる」など、自分の努力量を可視化すると良いでしょう。
頑張った事を実感できればそれだけモチベーションが高まり、より励みや動機付けにすることが可能です。
自分を監視してくれる人を置く
詳しくは「東大生もこだわる勉強場所!一番集中できるおすすめの環境はどこ?」で紹介していますが、実はリビングで勉強することが学習効果を高めると言われています。
これは人目があることで適度な緊張感を保つことができ、より集中して勉強に取り組めるようになるためです。
誰かに見られる環境で勉強して強制力を持たせたり、一定の段階で自分の進捗を報告するようにするなど、監視の目を置く事でモチベーションアップにつながります。
勉強そのものを目的化する
多くの学生は、志望校合格や成績アップを目的に勉強をしているため、なかなか先が見えないとモチベーションが下がりやすくなります。
そこで、元々の勉強自体を目的にし、自分が知る事、理解する事にフォーカスを当てると、次第に勉強すること自体が楽しくなり、モチベーションを保って学ぶことができるようになるのです。
ただし、この方法は勉強自体を目的化するために時間がかかるので、重要なタイミングの直前になって行える方法ではありません。
余裕のあるタイミングで行うようにし、少しずつ勉強や学びへの意欲を高めていくようにしましょう。