子供新聞ってどんなもの?大人用との違いを解説!
様々なニュース・話題を子供向けに掲載
大人用に発行されている新聞は、単語や文章などが難しく、子供が理解するにはかなり難易度が高くなっています。
子供新聞はこの難点を改良し、子供が読みやすく分かりやすい言葉を使って書かれているのが特徴です。
また、難しい読み方の漢字にはルビが振ってあり、きちんと言葉を捉えながら読み進めることができます。
小学生新聞なら小学1年生から、中高生新聞なら中学1年生からでも始められ、早いうちからニュースや社会情勢に触れる機会が持てます。
ネットニュースとは違って校閲などの編集面もしっかりしており、ノイズが少ないので情報を脳にインプットしやすいのも子供新聞の良い点です。
子供にとって興味・関心度の高い話題も豊富
政治や経済などの難しい情報だけでなく、子供が興味を持ちやすい自然・生き物、宇宙、乗り物といった話題が多く取り上げられるのも子供新聞の魅力です。
中高生用の新聞になると、AIやロボット、スポーツ、エンタメなども充実し、さらに得られる情報の幅が広がります。
また、学習に役立つ情報や問題、検定対策、受験情報などが掲載されているのも子供新聞ならではです。
そぐわない事件・情報は除外
大人の新聞では特に重要なニュースが網羅されているので、凶悪な事件や性犯罪、不倫・スキャンダルなどは掲載されない事がほとんどです。
子供にとって早すぎる情報や不適切な内容は除外されるので、保護者の方も安心して読ませることができます。
掲載されている内容については各紙ごとに違いがあるので、お試し購読やサンプルなどを利用してみると良いでしょう。
発行の頻度が異なることも
一般の新聞は基本的に毎日発行されていますが、子供新聞は毎日または週1~2回発行されるものが多い傾向です。
新聞を読む習慣を付けさせたい場合は毎日発行される子供新聞が向いていますが、集中して取り組ませたい場合は週1~2回発行の新聞が適しているでしょう。
ご家庭の方針やお子さんの傾向、習い事・部活のスケジュールなどを考え、無理なく継続できる子供新聞を選ぶことが大切です。
自宅で子供新聞を読ませる効果・メリットは?
言葉の理解・表現力アップに役立つ
国語学習のポイントは、言葉の正しい意味を理解して、人とのコミュニケーションの中で適切に表現できるようにするという事です。
子供新聞は活字を読み進めながら、学んでいない言葉や学校では触れない単語を学習でき、活用することで言葉の理解力を高めることができます。
また、言葉を使うシーンや繋がりなどを理解することで言語感覚を養えるので、正しい表現が行えるようになります。
インターネットが必要不可欠な現代は、LINEのようなコミュニケーションツールやSNSなど言葉の使い方がより重要になっており、子供新聞を使って正しい国語力を鍛えておくことが大切です。
読解力・思考力を高めやすい
新聞は様々なニュースを文章で読み、それを自分の頭で読み解くことが必要になるので、必然的に読解力が高まります。
1つ1つが書籍のように長文ではないので、文章を読むのが苦手なお子さんもチャレンジしやすいでしょう。
また、社会の出来事を読んだ時に「なぜだろう」「どうしてだろう」と疑問に思ったり、自分なりの意見や考えを持つことで、思考力を高めることにも繋がります。
2020年から始まる教育改革ではこの思考力の向上が課題になっていることから、子供新聞を活用して考える癖をつけると、将来的にも役立ちます。
音読すれば脳機能の向上にも
新聞に限らず、文章を音読することは脳の前頭葉にある前頭前野へ、血流を促進させる働きがあることが分かっています。
前頭前野は、思考・記憶・判断・応用・創造といった様々な能力に直結する非常に重要な場所なので、子供新聞の音読によってより脳機能のパフォーマンスを高めることが可能です。
また、感情や行動のコントロールにも前頭前野が深く関わっていることから、気持ち良い人間関係を作れる、ストレス耐性の高い人へと成長できるでしょう。
成績アップにつながる可能性がある
2018年度に実施された文部科学省の「全国学力・学習状況調査」によると、国語・算数の正答率が高い児童ほど新聞をよく読んでいるという事が分かりました。
実際、最難関中学の入試合格者のうち、約4割もの子供が朝日小学生新聞の読者であったことも判明しています。
子供新聞を読む事だけで成績が上がる訳ではありませんが、勉強に必要な能力も獲得できるので、学力向上にもつながるという訳です。
成績を上げたいご家庭、受験を控えているお子さんにとっても子供新聞は勉強教材の1つとして活用できるでしょう。
子供新聞の購読で生じるデメリット・注意点は?
効果に対する即効性はない
上記で紹介した効果は子供新聞を購読し、読み始めたからと言って、すぐに発揮されるものではありません。
新聞を継続して読み続けることにより、少しずつ能力が高まっていきますので、即効性は期待しない方が良いでしょう。
子供自身も慌てずゆっくり備えられるよう、早めに子供新聞の購読を開始して、徐々に能力を高められるようにしてください。
多少なりとも料金がかかる
子供新聞は新聞社が発行しているので、購読をするためには多少なりともお金がかかります。
ただし、毎月1,000~1,500円ほどで購読できる子供新聞が多いので、それほど大きな出費ではありません。
無料の子供新聞を探している方は、ネットからダウロードできる「学ぼう産経新聞」や、スポーツに特化している「スポニチジュニア」、各種地方紙の子供新聞を確認してみましょう。
楽しく読めないと継続できない
子供は興味のある事や楽しいものは一生懸命取り組む反面、つまらないと感じた途端に取り組まなくなってしまいます。
これは子供新聞でも一緒ですから、どれだけ楽しんで新聞を読めるかが継続の大きなポイントになります。
学校の宿題のように義務化せず、自ら読みたいと思えるようお子さんの傾向に合わせて、保護者の方が促してください。
また、周囲の友達と同じ子供新聞が必ずしも合うとは限りませんので、みんなが読んでいるからという理由だけで選ぶと失敗しやすいです。
自分の子供に適している新聞はどれなのか、親子で一緒に読みながら確認するようにしましょう。
小学生用のおすすめ子供新聞は?
読売KODOMO新聞
読売新聞が発行している小学生向けの新聞で、世の中の動きやニュースが端的に分かりやすくまとまっています。
イラストや図表などもふんだんに掲載されているので、難しい事柄でもしっかり理解できるのが魅力です。
20ページで月550円(週1回発行)という圧倒的なコストパフォーマンスが好評で、支出が気になるご家庭にもピッタリです。
新規購読者だけでなく、購読中のご家庭も対象になるキャンペーンが実施されることもあり、オトク感があるのも嬉しいポイントです。
- 発行
- 週1回(木曜日)
- ページ数
- 20ページ
- 月額(税込)
- 550円
- 1部売り
- 160円
朝日小学生新聞
朝日新聞が発行する小学生向けの新聞は、休刊日以外は毎日届くので、リアルタイムにニュースが捉えられます。
毎週月曜日に1週間のニュースのおさらいクイズが掲載されたり、書き写しに適したコラムを設けるなど、バラエティ豊かな紙面が魅力的です。
また、専用スマホアプリをダウンロードしておくと、公文協力の英語の学習ページで音声を聞く事が出来るなど、珍しいサービスも提供しています。
販売店での1部売りも行っているほか、公式サイトからサンプル紙面も読めるので、子供の興味を見てから購読することが可能です。
- 発行
- 毎日
- ページ数
- 8ページ
- 月額(税込)
- 2,100円
- 1部売り
- 80円
毎日小学生新聞
毎日新聞が発行する小学生向けの新聞は、独自のユニークなコラムや企画などが特徴的です。
ジャーナリストの池上彰氏、国連事務次長の中満泉氏など著名な執筆陣のコラムや、寄せられた子供の疑問に専門家が答える記事など、子供の興味を引き付けやすくなっています。
また、登録をすると実際に有名人や専門家へインタビューできる参加型企画もあり、読んでいる子供自身が主体的になれる新聞です。
子供新聞の中では唯一、無料お試し購読を行っており、1週間しっかりと試し読みをすることができます。
- 発行
- 毎日
- ページ数
- 8~12ページ
- 月額(税込)
- 1,580円
- 1部売り
- 60円
中学生・高校生用のおすすめ子供新聞
読売中高生新聞
読売新聞の中高生向けの新聞は、ニュースの分かりやすさだけでなく、未来を生きる10代のための新聞として役割を担っています。
ディスカッションテーマを掲載するコーナー、仕事を紹介するコラム、エンタメ情報、全国の中高生に聞いた政治課題へのアンケート調査など、本紙とは異なる興味をそそる情報が満載です。
さらに、月に1回はマナー・作法を連載にするなど、大人の階段を昇るために必要な知識も得られます。
1回分のみ無料お試しが利用できるので、取り寄せてじっくり紙面を確認してから購読が可能です。
- 発行
- 週1回(金曜日)
- ページ数
- 24ページ
- 月額(税込)
- 850円
- 1部売り
- 220円
朝日中高生新聞
朝日新聞の中高生向けの新聞は、小学生新聞よりも言葉や文章の難易度を高めながらも、難しい問題もしっかり理解できるよう工夫されています。
独自コーナーではお悩み解決に対して力を入れており、音楽クリエイターのヒャダインさんが質問に答えるコラムと、読者同士が意見を出す記事の2種類を読めるのが特徴です。
両親や友人に相談できない話も子供新聞を通してフォローしてくれるのは、難しい時期の中高生には嬉しい内容と言えます。
全20~24ページとしっかりボリュームがあるのに月1,000円未満というコストの安さで、6年間継続しやすいのも魅力でしょう。
※2022年8月から金額改正により月985円→1,200円に変更されました。
- 発行
- 毎日
- ページ数
- 20~24ページ
- 月額(税込)
- 1,200円
- 1部売り
- 310円
失敗しない子供新聞の購読方法を紹介!
①お試し購読で2~3社の新聞を
同じ「子供新聞」でも、発行する新聞社によって取り上げるニュースの傾向や文章の書き方などに癖があります。
よく、大人の新聞では2社以上読み比べるのが良いと言われますが、子供新聞の場合は最初の比較段階で複数社を取り寄せて検討するのがオススメです。
読む子供自身が理解しやすい新聞や、興味深い内容が掲載されている新聞を選ぶと、継続しやすくなります。
②子どもが興味を持てるコンテンツがあるか確認
新聞を読まなくなる理由の3大原因は、「分からない」「つまらない(興味がない)」「面倒くさい」です。
子供新聞は理解しやすい言葉で書かれているので、慣れてくれば分からないと感じる事は少ないですが、楽しく読めないとつまらなくなってしまいます。
さらに、つまらない新聞を読むのが義務になることで面倒さをおぼえるので、いかに興味を持たせるかが重要です。
様々な特徴がある中で、子供の興味・関心に当てはまる子供新聞を購読するようにし、読む時間を楽しいものにしましょう。
③ニュースを読み比べて最終決定
新聞の大きな役割はニュースで様々な問題・情報を得る事ですので、楽しいコーナーだけでなく、記事の文章・解説もしっかりと目を通して比較することが重要です。
この際、できれば同じニュースを取り上げた記事を読み比べて、より理解しやすい新聞を選んでください。
また、文字の大きさや構成、デザイン、ボリュームなども見比べて、気持ち良く読める子供新聞を選択しましょう。
子供新聞を購読したら覚えておきたい読み方・活用術
最初は興味のある記事を読ませるだけでOK
子供新聞を購読しはじめたら、一気に全部を読ませるのではなく、見出しで子供が興味を持った題材や楽しいコーナーだけ読む形でも構いません。
保護者としては、せっかく料金を払っているので全て読ませたくなりますが、まずは新聞に親しむことから始めましょう。
読むことに慣れてきたら範囲を広げ、最終的に全ページを網羅できるようになる事を目標にします。
また、ニュースの話題を家庭内で話したり、「××について、子供新聞にはどう書いてあった?」と保護者が質問するなど、コミュニケーションの中に取り入れていくと良いでしょう。
「まとめノート」を作って効果アップ
子供新聞を購読するうえで大切なのが、読みっぱなしにせず自分の力になるよう工夫する事です。
まとめノートとは、子供新聞を読んだ後に記録をするための自作ノートのことで、形式はどのような物でも構いません。
子供が読んだ新聞記事の中で気になったものを選び、「選んだ理由」「記事の内容(要約)」「感想・意見」「疑問に思った事と調べた結果」「分からなかった漢字・言葉とその意味」の5つの項目を1ページにまとめます。
これを行うことで読解力を高めるとともに、自分の気持ちや考えを表現すること、物事に疑問を持たせることを定着させることが可能です。
これからの社会では自ら考えて行動したり、きちんと意見を述べられる人が求められる人がより求められるようになるので、早いうちから習慣化すると良いでしょう。
スタートは新聞に慣れてきた頃から
子供新聞のまとめノートは非常に役立つので、すぐにでも始めさせたくなりますが、スタートは新聞を読むのに慣れてきたタイミングがベストです。
1度に多くの事をさせるのではなく、まずはしっかり丁寧に記事を読む習慣をつけたうえで、ノートまとめへと展開するのが継続のコツになります。
さらにレベルアップできるお子さんは、ノートを親子間で共有し、保護者の意見・考えも伝えてみましょう。
そうすることで、自分以外の意見に耳を傾けられるようになり、多角的な視点で物事を捉えられるようになります。