勉強の集中力を高める食べ物とは?
1.速効性を求めるなら「チョコレート」
チョコレートには脳のエネルギー源となるブドウ糖が多いほか、集中力や記憶力を高めるカフェインの一種(テオブロミン)も含まれているため、集中力アップに最も効果的な食べ物です。
食べて30分程度で集中力を発揮するため、普段の勉強から試験前まで幅広い場面で活躍します。
香りにも集中力を高める効果があるため、あまり好きではないという人は香りを嗅ぐだけでもOKです。
ピーナッツミルクチョコで効果倍増!
集中力アップの効果を高めるには、チョコレートの中でもミルクチョコレートが良いと言われています。
さらに、ピーナッツやアーモンドなどのナッツ類が入っているものであれば、脳の機能を活発にする働きも加わり、一石二鳥です。
ただし、チョコレートの効果は食べてから1時間でピーク迎え、2時間後には効果が減少し始めるので、連続した勉強や試験の時は計画的に食べましょう。
2.イライラする気持ちが強い時は「ドライフルーツ」
ドライフルーツに含まれる糖質は脳の栄養となり、さらに噛むことで脳を刺激するため、ダブルの効果で集中力アップに役立ちます。
ビタミンや食物繊維も含まれているので、不足しがちな栄養を手軽に補えるという点もメリットです。
購入する時は加糖されているものではなく、できるだけ余計な材料が入っていない物を選びましょう。
ビタミンCの多い果物がベスト!
ドライフルーツにも様々な種類がありますが、特にオススメなのがビタミンCの多く含まれるフルーツです。
人はストレスを感じるとビタミンCを消費するため、ドライフルーツで補うと集中力が長続きします。
ビタミンCが多く含まれるフルーツは、オレンジ、イチゴ、キウイ、リンゴ、柿などがあります。
3.試験の前に取り入れたい「バナナ」
バナナは糖質が含まれるだけでなく、脳を活性化させるトリプトファンが含まれています。
これは、集中力を高めるホルモン「セロトニン」の材料であるため、積極的に取り入れたい食べ物です。
手軽に食べられる果物なので、食後のデザートとしてもおやつとしても取り入れやすいという点もポイントです。
毎日食べることでストレスに強い体に!
さらに、バナナはビタミンCが豊富に含まれているため、ストレス対策としても効果を発揮します。
ドライフルーツの項目でもご紹介しましたが、勉強のストレスにはビタミンCが効果的ですので、長時間の勉強や試験など強いストレスを感じる場面では、バナナも強い味方となります。
4.小腹が空いた時は「たまご」
卵は完全栄養食品とも言われ、食物繊維・ビタミンC以外のすべての栄養素が含まれています。
特に「卵黄レシチン」に含まれるコリンは、脳の中に入るとアセチルコリンという神経伝達物質になる必要不可欠な成分です。
脳の情報伝達がスムーズになる事で、集中力だけでなく記憶力・判断力・認識力を高めてくれます。
食事の時に食べるだけでなく、ゆで卵にすれば夜食や勉強の合間に小腹が空いた時でも、手軽に食べられます。
他にも嬉しい効果がたくさん!
たまごはビタミンやミネラルが豊富なので、体作りとしても最適ですが、低カロリーで太りにくい食べ物とあって女性でも安心です。
また、卵黄レシチンは自律神経のバランスを整える効果もあり、勉強やプレッシャーによるイライラを沈めてくれます。
受験シーズンの寒い時期であれば、スープなど温かい物に入れて取り入れるのも良いでしょう。
5.食べながら勉強できる「ガム」
メジャーリーグの野球選手がガムを食べながらプレーをしている姿を、見たことがあるかもしれませんが、実は集中力アップのために取り入れられています。
ガムを噛む咀嚼行動はリラックス効果をもたらし、さらに脳の運動にもなるため、高いパフォーマンスを引き出すことができるのです。
ガムを噛むことによって集中力が高まるということは、医学研究でも明らかになっています。
糖分の摂り過ぎに注意!
ガムを食べる時に気を付けたいのが、糖分の摂り過ぎです。
市販のガムは加糖されている物が多く、食べ過ぎると糖分の過剰摂取となってしまい、体を壊してしまいます。
定期的に取り入れる場合は、ノンシュガータイプのガムを食べる様にしましょう。
6.記憶力アップに効果的な「ブルーベリー」
ブルーベリーには、アントシアニンという抗酸化物質が豊富に含まれています。
この成分には、脳の血流を改善し、神経細胞間の情報伝達を促進する効果があります。
特に、記憶力の向上に効果的であることが研究で示されています。
冷凍ブルーベリーで栄養価アップ!
実は、ブルーベリーは冷凍することで抗酸化物質が増加します。
そのまま食べるだけでなく、ヨーグルトに混ぜたり、スムージーにしたりと、様々な方法で摂取できます。
ちなみに、ブルーベリーをナッツ類(特にクルミ)と一緒に食べると、記憶力向上の効果が高まるので、ぜひ勉強の間食としてお試しください。
7.集中力持続に効く「ナッツ類」
ナッツ類には、ビタミンE、オメガ3脂肪酸、亜鉛などの栄養素が豊富に含まれています。
これらの栄養素は、脳の健康維持や神経伝達物質の生成に重要な役割を果たします。
特に、クルミやアーモンドは集中力の持続に効果的だと言われています。
ただし、ナッツ類は高カロリーなので、一日の摂取量は手のひらに軽く1杯くらいの量(20~30g程度)に抑えて、油を使用していないローストタイプのものを選ぶのがおすすめです。
ミックスナッツで栄養バランスアップ!
クルミ、アーモンド、カシューナッツを組み合わせた短時間で栄養を摂取できるミックスナッツがおすすめです。
各ナッツの栄養素が補完し合い、より効果的に集中力を持続させます。
小分けにして携帯すれば、勉強中のサクッとした間食にぴったりです。
8.脳の活性化に役立つ「魚」
魚、特に青魚にはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といったオメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。
これらの栄養素は、脳細胞の膜を構成する重要な成分であり、神経伝達物質の分泌を促進し、記憶力や集中力の向上に効果があると言われています。
サバ、イワシ、サーモンなどの魚を週に2~3回程度摂取するのがおすすめです。
魚を調理する際は、レモンを絞ったレシピにすると、レモンに含まれるビタミンCが魚の栄養素の吸収を助けます。
さらに、レモンの香りには気分をリフレッシュする効果もあり、勉強の合間のリフレッシュにも役立ちます。
缶詰で手軽に栄養チャージ!
サバやイワシの缶詰は常温で保存が効き、手軽に摂取もできるので、忙しい学生さんの強い味方になります。
また、高温高圧調理されている一般的な魚の缶詰は、骨ごと柔らかい状態で食べられるため、生の魚と比べて、カルシウムが43倍、DHA・EPAが1.3倍と栄養素が高いのも特長です。
おにぎりの具や、サラダやパスタのトッピングなど、試験期間中の食事としても最適です。
9.集中力アップと疲労回復に効く「ほうれん草」
ほうれん草は、葉酸やビタミンB群、鉄分が豊富に含まれている栄養価の高い野菜です。
葉酸は、記憶力や認知機能の維持に重要な役割を果たしており、ビタミンB群と鉄分は、脳の疲労回復や集中力の向上に効果があります。
サラダやお浸し、炒め物など、様々な料理に取り入れやすいので、日常的に摂取することをおすすめします。
茹でずに生で食べると栄養価アップ!
ほうれん草は茹でたり、加熱調理することで、ビタミンCや食物繊維、葉酸といった栄養が減少してしまいます。
生食することで、これらの水溶性の栄養素を逃がさずに摂取することができます。
しかし、ほうれん草にはシュウ酸というアクも多く含まれており、カルシウムと結合することで尿路結石の原因になるので、大量に食べるのは控えましょう。
独特の苦みやシュウ酸の摂取量を抑えたい方は、生食用に改良されたサラダほうれん草がおすすめです。
10.その他の脳機能を向上させる食品
上記で紹介した食品以外にも、バランスよく日々の食事に取り入れることで、脳機能を向上させる効果が期待できる食品があります。
例えば、アボカドは、健康的な脂肪と抗酸化物質を含み、脳の血流を改善する効果があります。
カカオに含まれるフラバノールは、認知機能の向上に役立つと言われています。
また、かぼちゃの種は、亜鉛やマグネシウムが豊富で、記憶力や集中力の向上に寄与します。
スーパーフードで脳機能ブースト!
少々手間はかかりますが、気分転換も兼ねて、朝食にアボカドトーストを作ってみるのは如何でしょうか。
全粒粉パンにアボカドをのせ、その上にかぼちゃの種をトッピングすれば、勉強や試験前に最適な栄養満点の朝食になります。
カカオはダークチョコレートとして摂取するのがおすすめです。
カカオ含有量70%以上のものを選び、1日20〜30グラム程度を目安に摂取しましょう。
勉強の合間のリフレッシュタイムにぴったりで、集中力の持続にも効果的ですが、カロリーが高いので食べ過ぎには注意が必要です。
集中したい時に取り入れたい飲み物があった!
1.リラックス&集中力アップに「フルーツジュース」
天然の糖分とビタミンCがたっぷり含まれるフルーツジュースは、集中力を高めたい時に取り入れたい飲み物です。
さらに、バナナやリンゴなどチロシンを含む果物であれば、ドーパミンやノルアドレナリンの原料となり、より集中力アップを期待できます。
100%ジュースを選ぶこと!
フルーツジュースを飲むときは、果汁100%のジュースを選ぶことが大切です。
砂糖など余分な成分が入っていると、逆に集中を妨げてしまったり、糖分の摂り過ぎになりかねません。
さらに、市販のジュースで加熱殺菌されていると、ビタミンCの量が減ってしまうので、できれば搾りたてのフルーツジュースを飲みましょう。
2.いつでも取り入れやすい「緑茶」
緑茶にはカフェインとL-テアニンが含まれており、脳の機能を高めるという効果が証明されています。
カフェインには覚醒作用があり、集中力を高めるだけでなく、記憶力や注意力もアップすると言われています。
また、L-テアニンにはストレスをやわらげるリラックス効果と集中力を向上させる効果があります。
2つの成分の組み合わせによる相乗効果で、緑茶は覚醒状態を保ちつつ、穏やかな集中力向上効果を発揮します。
緑茶は時間や場所を問わず取り入れやすく、カテキンによる抗酸化作用で、脳の健康維持にも貢献するおすすめの水分補給アイテムです。
カフェインの摂り過ぎには注意!
カフェインには適切な摂取量が決まっており、体重1㎏あたり3mgまでとなっています。
例えば、体重50㎏の人の場合、1日のカフェイン量は150mgまでという事です。
緑茶の中でも特によく飲まれる煎茶は、100mlあたり約20mgのカフェインが入っていますので、飲みすぎない様に上限を決めて摂取する様にしましょう。
3.頑張りすぎている時には「紅茶」
紅茶には、100mlあたり約30㎎のカフェインが入っているだけでなく、L-テアニンというアミノ酸も含まれています。
この効果によって脳にα波が多く出現し、脳はスッキリしているが気持ちはリラックスした状態をもたらします。
実際の実験では、紅茶を飲むことで42.1%も集中力がアップするという結果が出ています。
茶葉の種類で効果アップ!
紅茶には非常に多くの茶葉がありますが、その中でも特に「ニルギリ」という種類が良いと言われています。
スッキリとした香りでリフレッシュ効果が高く、休憩の合間に飲めば次の勉強に集中しやすくなります。
柑橘系との相性が良いので、レモンティーにしてビタミンCと一緒に摂るのもオススメです。
4.リラックスしながら眠気も覚ます「ペパーミントティー」
ハーブティーは、緊張を解いて脳をリラックスさせリフレッシュする効果が期待できます。
その中でもペパーミントティーなら、メントールの香りが脳を刺激し、ドーパミンの量を増やして集中力アップにつながります。
胃腸の不調にも効果あり!
ペパーミントの油分に含まれる成分「メントン」と「アズレン」は、消化液の分泌促進、炎症抑制などの効果をもたらし、胃腸の調子を整えるとされています。
さらに、メントールに鎮痛、腹筋の緊張緩和の働きがあり、トリプル作用で胃腸の不調を和らげます。
試験直前などストレスがかかり、胃が痛い、食欲がないといった時にも役に立つ飲み物です。
5.ひどい疲れを感じている時に「甘酒」
米麴や酒粕を発酵させて作られた甘酒は、「飲む点滴」と言われるほど美容・健康効果が高い飲み物です。
特に、疲労回復に効果的で、体の疲れを癒すことでコンディションを高め、集中力の向上につなげます。
甘酒にはアルコール入りタイプもあるので、未成年の学生さんはアルコール不使用タイプを選びましょう。
+αで更なる効能を引き出す!
甘酒にすりおろし生姜(小さじ1)を加えると、生姜の辛み成分が末梢の血管を広げ、体を温めます。
これをヨーグルト(大さじ1)に代えれば、お腹の調子を整える整腸作用が期待できます。
他にも様々なブレンドがありますので、自分の体調に合わせてアレンジしてみましょう。
6.基本中の基本、脳の潤滑油「水」
水は、脳の働きを最適に保つための最も重要な飲み物です。
脳の約75%は水分で構成されており、適切な水分補給は脳細胞の機能を維持するために不可欠です。
軽度の脱水でも、集中力や記憶力の低下、気分の変化などを引き起こす可能性があるため、勉強中はこまめに水を飲むことで、脳に十分な水分を供給し、集中力を維持することができます。
水分補給のゴールデンタイム!
勉強外の時間にはなりますが、起床直後と就寝前の水分補給は特に重要です。
睡眠中に失われた水分を補給し、一日の勉強を快適にスタートさせましょう。
また、就寝前の水分補給は翌日の集中力維持に役立ちますが、就寝直前の大量摂取は避け、就寝1時間前までに適量を飲むのがコツです。
水分補給の目安は体重1kgあたり30mlで、例えば体重60kgの人なら1日1800ml程度が適量となります。
7.即効性のある覚醒効果「コーヒー」
コーヒーに含まれるカフェインは、中枢神経系を刺激し、覚醒効果と集中力向上効果をもたらします。
また、短期的な記憶力や反応速度を向上させる効果もあることが研究で示されています。
ただし、カフェインの効果には個人差があり、摂取量や時間帯によっては睡眠に影響を与える可能性があるため、適量を守り、就寝前の摂取は避けるなど、自分に合った飲み方を見つけることが重要です。
コーヒーの効果を最大限に引き出す飲み方!
コーヒーは、効果が表れるまでに15〜30分かかるため、勉強を始める30分前に飲むのが理想的です。
1日の摂取量は400mg(約4杯)を目安とし、午後3時以降の摂取は控えめにしましょう。
ただし、コーヒーには利尿作用があり、トイレが近くなる傾向があるため、大事な試験の直前に飲むのは避けた方が安心です。
食べ物・飲み物以外にも、「受験勉強のやる気がでない!そんな時の対処法と続く勉強方法」「東大生もこだわる勉強場所!一番集中できるおすすめの環境はどこ?」の中で集中力が無い時の具体的な勉強方法や集中しやすい場所についてご紹介していますので、参考にされてください。
もっと知りたい!集中力を上げる食べ物・飲み物特集
コンビニでも買える効果的な商品は?
上記で紹介した食べ物や飲み物のほとんどは、コンビニで扱われているので、手軽に購入することができます。
たとえば、チョコレートやガムなら明治やロッテといった大手メーカーの他に、コンビニのプライベートブランドも展開していますから、どこでも誰でも簡単に入手可能です。
また、フルーツジュースもDOLEやTropicanaの果汁100%ジュースがコンビニに置いてありますので、勉強前に買っておけば集中力が途切れた時にすぐ摂取できますし、気分転換がてらコンビニに買いに行くのもありです。
コンビニで手に入れにくいのは、ドライフルーツとペパーミントティーくらいですから、外出先で集中力を高めたい時はこの2つを除けば、ほとんど誰でも実行できるでしょう。
なお、集中力を高める上記以外の食品や、効果的な摂取方法は「勉強中の疲労回復・集中力向上に!コンビニで買えるお助け食べ物&飲み物」でも紹介しています。
集中力アップだけでなく、眠気覚ましやモチベーションアップにつながる食べ物・飲み物も調べていますので、ぜひ併せてご覧ください。
試験の前は特にどんな食べ物が良いの?
定期テストや入試などの試験の前は、即効性のあるものや効果の高い食品をできるだけ選びたいものです。
それぞれの食べ物や飲み物には、効果発現までにかかる時間や持続時間、必要量が異なるため、効果的な摂取方法を知っておくと無駄がありません。
また、テストの最中は集中力だけでなく、思い出す力(想起力)や発想力、表現力、判断力など様々な思考力が必要になりますので、脳の機能を高める効果的な食べ物や飲み物はぜひ積極的に摂り入れたいところです。
学生さんだけでなくご飯を作る保護者の方も、「テスト勉強中や試験前には何の食べ物が良い?集中力や思考力を高める食事」を読んで、万全の体制を整えましょう。