勉強中にBGMを流すメリット
気持ちを高めることができる
自分の好きなアーティストの音楽を聴いていると気分が高まりますが、この時に脳の中ではドーパミンという物質が出ています。
ドーパミンは脳内物質の1つで、記憶や思考、判断、感情コントロール、アイディア・発想などを司っている前頭前野の働きにも関係するものです。
好きなBGMで気分を高揚させると、勉強に対するやる気が湧き出るうえ、勉強効率も高められる可能性があります。
リラックスして勉強できる
勉強をする時は適度な緊張感が必要なものの、緊張しすぎてしまうとパフォーマンスの低下を招きます。
過度な緊張を感じる時は心が落ち着く心地良い音楽をかけることで、脳内物質のセロトニンの分泌を促し、神経の高ぶりを鎮めることが可能です。
気持ちが焦っていたり、集中力に欠ける時は、ゆったりとしたリラックスできるBGMをかけながら勉強することで、次第に落ち着いて取り組めるようになるでしょう。
気分転換になる
受験生やテスト期間直前など、長い時間勉強しているとどうしても集中力が途切れたり、勉強したくない気持ちが出てくるものです。
そんな時、休憩時間に好きな音楽をかけて休むことで気持ちがリセットされ、気分転換を図る事が出来ます。
漫画やゲームなどの娯楽と違い、音楽は終了の時間が明確になっているため、休憩の区切りとしても活用できます。
「この曲が終わったら勉強に戻る」「アルバム3曲分まで休憩時間にする」など勉強のメリハリをつけやすく、時間のコントロールに役立ちます。
記憶力が高まる
思い出の曲を聴くと、当時の記憶や映像が蘇ってくる経験は、誰もが1度はしたことがあるでしょう。
実は、音楽は記憶を司る脳の海馬と深く関連しており、曲と出来事・情報を関連付けて記憶することができます。
これを学習面にも活用し、BGMで脳に刺激を与えながら勉強することで、記憶を定着しやすくすることが可能です。
暗記系の科目だけでなく、イメージで覚えたい理数系にも使えますので、流すBGMを分けてみると良いかもしれません。
BGMをかけながら勉強する時はココに注意!
歌詞のある曲は避ける
アーティストが歌っている曲を好む方も多いですが、2009年に発表された人間工学の研究によると、歌詞のある音楽は誤答率が高いという結果が出ています。
これは、歌詞の途中で興味のある単語に意識が向いてしまうことで、注意力が散漫になってしまうためです。
さらに、聴覚で得る言葉の情報と、視覚で得る言葉の情報が異なることから、脳の情報処理負担が大きくなってしまい、勉強のパフォーマンスを低下させることも起因していると考えられます。
歌詞付きの楽曲は休憩中の気分転換として活用し、勉強の最中は歌詞のないBGMを流すようにしましょう。
音楽なしでも勉強できるようにする
勉強中にBGMを流すと様々な良い効果がある一方、音楽と勉強が強く結び付けられすぎてしまうと、音楽なしの状態で勉強できなくなってしまう可能性があります。
特に、テスト・試験などの場面で音楽を流す事はできないので、本来の力を発揮できない可能性もあるのです。
BGMを勉強に活用したい方は音楽をかけない日も取り入れて、音がなくても集中できる練習をしておきましょう。
こんなシーンにおすすめ!勉強にピッタリの音楽を紹介
集中力が続かない時
勉強していてもすぐに気がそれてしまい、集中できない時は「ホワイトノイズ」と呼ばれる、複数の周波数が含まれた心地良い雑音が良いと言われています。
また、木の葉の揺れる音や鳥のさえずり、雨音、川のせせらぎといったナチュラルな音も集中力アップに効果的です。
特に、ピアノの音色とさざ波は脳内でα波を出すので、より効果的に勉強することができます。
その他に、集中力がない時に聞きたい音楽として、ファイナルファンタジーやクロノクロスといったゲームのサウンドトラックもおすすめです。
ゲーム中に流れるBGMは、世界観を表すという役割だけでなく、集中して遊んでもらうよう作られています。
ただし、あまり電子系の音が強いものだと集中しづらいので、オーケストラの演奏している楽曲を選ぶと良いでしょう。
勉強のやる気が出ない時
「勉強机に向かいたくない」「参考書を開いたけれど、やる気が起こらない」そんな時は気持ちを高める音楽がおすすめです。
自分の好きな曲を聴くのが1番ですが、もし歌詞が入っている場合は勉強中のBGMにするのは避けましょう。
代わりに、男性はドーパミンが分泌されやすい交響曲を、女性は気持ちが自然と乗りやすいピアノソナタをBGMに流すのがおすすめです。
暗記系の科目を行う時
歴史の年号・出来事や英単語など、記憶作業が必要な暗記科目の時は、できるだけ様々な五感を使うと良いと言われています。
暗記の勉強を行う時は、クラシックの有名曲など自分が知っている音楽をBGMにし、旋律にあわせて覚えると思いのほか捗ります。
ただし、音楽があまりにも大きすぎると記憶の妨げになってしまうので、わずかに聴こえる程度のボリュームにしましょう。
また、できるだけ脳への刺激は多い方が良いので、BGMを流すだけでなく声に出す、文字を書く、歩き回るなど様々な刺激をプラスするとより効果的です。
成績・学力への不安感が強い人
勉強していても「失敗したらどうしよう」「どうして間違えたのだろう」とネガティブな気持ちになりやすい人は、ヘヴィメタルを聞いてみてください。
意外かもしれませんが、これはテレビなどのメディアにも度々出演している、脳科学者の中野信子氏が勧めている音楽です。
ネガティブに考えやすい人、不安傾向の強い人がヘヴィメタルを聴く事でストレスが発散され、勉強の効率が高まるとされています。
テストや試験の前
これから実力を発揮したいという場面では、クラシック音楽を聴いて緊張を適度に解きほぐしましょう。
クラシックは1/fのゆらぎを持っており、音楽療法でも取り入れられるほど、心の安定に役立つと言われています。
特に、バイオリンで奏でられる「アヴェ・マリア」「カンタービレ」「タイスの瞑想曲」が良いとされていますので、探してスマートフォンにダウンロードしておくと良さそうです。