テスト・試験前の思考力アップには、食べ物の工夫が必要!
集中力の維持には血糖値が大切!
勉強をしている時は、脳のエネルギー源であるブドウ糖が消費されるため、血糖値(血液中のブドウ糖の量)が徐々に低がっていきます。
血糖値が少なくなるほど脳のパフォーマンスが低下していきますので、「思考力が落ちる」「集中力が下がる」などの影響が出てしまうのです。
つまり、しっかり集中して勉強やテストに取り組むためには、ブドウ糖を補って脳の機能を高めておくことが大切です。
急激な血糖値アップは逆効果!?
だからといって、集中力が切れたり疲れが生じたときに、急激に甘いものをたくさん食べてしまうのはいけません。
一気に血糖値が高まると、それを抑えるために膵臓からインスリンがたくさん分泌されてしまい、血糖値が急降下してしまうのです。
すると、ブドウ糖が脳に届かなくなってしまうだけでなく、強い空腹感や苛立ちを感じ、余計に集中できない状況を作ってしまいます。
そのため、ブドウ糖を補う事ばかり考えるのではなく、「低GI食品」という糖質の吸収が緩徐な食べ物を、積極的に摂り入れると良いでしょう。
胃腸への負担が勉強の妨げに・・・
一昔前は「勝つ」と揚げ物の「カツ」をかけて、カツ丼などでゲン担ぎをしていましたが、実は集中力や思考力の低下につながっているのです。
誰しも、食事の後に眠気を感じた事があると思いますが、食事をすると消化のために胃腸に血液が多く使われるため、脳に血液が届きにくくなります。
すなわち、カツ丼のような胃腸に負担のかかる消化の悪い食事は、集中力や思考力の低下を招き、眠気を生じさせて、勉強が捗らなかったり、試験で本気を出せなくなってしまうわけです。
勉強をしっかり行いたい時や、テストや試験前で本番に備えたい日は、胃腸に優しく消化の良い食べ物がベストと言えます。
勉強や試験の妨害になるのは、食べ物だけじゃない!
胃腸に負担をかけるのは食べ物ばかりだと思いがちですが、実は、飲み物の中にもリスクが潜んでいます。
たとえば、市販飲料の中に含まれる化学調味料や添加物などは、胃に負荷がかかるためオススメできません。
また、カフェインが多量に含まれるエナジードリンクや栄養ドリンクも、カフェインが切れた時の反動が大きいため、一時的なサポート要員として考えておいた方が良いでしょう。
テストや試験前の食事・間食には理想のスタイルがある!
テストや試験を控えている方は、効率よく脳にエネルギーを届けるため、朝食は抜かずに1日3食しっかり食事を摂りましょう。
朝食は胃が空っぽの状態になるため、炭水化物とタンパク質を一緒に食べるようにし、血糖値の急上昇を抑えます。
昼食や夕食では積極的に低GI食品を食べて、日中の眠気や集中力・思考力ダウンを防ぐようにします。
さらに、食物繊維は腸内で糖を回収する役割があるため、野菜や海藻を一番最初に食べるのがオススメです。
なお、夕食の内容は睡眠の質にも影響することから、しっかり疲れを取るためにも、就寝2時間前までには済ませるようにしましょう。
「低GI食品」ってどんなものがあるの?
下記に代表的な食材を列挙しましたが、GI値はカロリーや栄養とは異なる指標なので、意外な物が高GI食品に含まれる事もあります。
栄養バランスを考える事も大切ですから、高GI食品が必要なこともありますが、あまりたくさん食べない様に注意しましょう。
お肉やお魚、乳製品、豆類、ソフトドリンクは全般的にGI値が低いので、加工品や加糖されているものでなければ特別気にする必要はありません。
ジャンル | 低GI食品 | 高GI食品 |
---|---|---|
穀物 | そば | うどん |
玄米 | 白米 | |
中華麺 | パスタ | |
おかゆ | パン(全粒粉を除く) | |
春雨 | コーンフレーク | |
野菜 | さつまいも | じゃがいも |
ほうれん草 | 人参 | |
大根 | かぼちゃ | |
なす | とうもろこし | |
ブロッコリー | 山芋 | |
果物 | グレープフルーツ | バナナ |
キウイ | パイナップル | |
りんご | レーズン |
試験前やテスト当日に!家庭で取り入れたい食べ物
食品界のトップは「大豆製品」
海外ではブレインフードと呼ばれている大豆は、「大豆レシチン」という成分体内に取り込まれると、神経伝達物質である「アセチルコリン」に変化します。
アセチルコリンが増えると脳が活性化され、情報のインプットとアウトプットがスムーズに行えるようになるため、集中力や記憶力などを高めることが可能です。
さらに、大豆は低GI食品の1つで血糖値の上昇が緩やかであることからも、勉強や試験にピッタリな食材です。
類似食品の「卵」もおすすめ
レシチンは大豆だけでなく、卵黄にも含まれていますので、アレルギーがなければこちらもオススメしたい食べ物です。
大豆と同じように脳の情報伝達をスムーズにする働きがあり、また、血糖値が急上昇しない低GI食品にあたります。
食事のどこにでも取り入れやすく、しかもカロリーが低いので、毎日使いやすい食材です。
主食は栄養豊富な「五穀米」
健康に良いと言われている低GI食品の五穀米ですが、ビタミンやミネラルが豊富なので、栄養面でも優れている食品です。
しかも、食物繊維が多く含まれるため、腸の調子を整えたり、糖の吸収を抑える働きも発揮します。
玄米と違い白米に混ぜて炊きますので、腹持ちも良く、家庭の食事にも取り入れやすいのもポイントです。
なお、五穀米に似ている十五穀米は、配合されている雑穀の種類が増えているため、栄養バランスが気になる方は十五穀米でも構いません。
続けて食べて機能を高める「青魚」
まぐろやサバ、いわし、サンマなどの青魚は、昔から頭を良くすると言われてきましたが、これは青魚に含まれるDHAの効果を指しています。
DHAが脳の細胞内に取り入れられると、情報伝達をスムーズにしたり、細胞を活性化するため、学習機能が高まります。
魚の油は「不飽和脂肪酸」と呼ばれ、肉の油に比べて健康効果が高いのが特徴ですが、摂りすぎてしまうと健康を害するリスクもあります。
魚が苦手な方はサプリメントを使うのも良いですが、基本的にはサプリメントに頼らず、毎日の食事に取り入れて継続的に摂取するのが良いでしょう。
間食・夜食が必要なら、こんな食べ物でサポートを!
学習効果を高める「ドライフルーツ」
低GI食品の多い果物は、ブドウ糖が脳の栄養になるだけでなく、食物繊維やビタミンも豊富で栄養バランスの面からも、テスト前や試験日、勉強中にピッタリの食べ物です。
さらに、咀嚼によって脳を刺激すると、大脳の海馬が活性化することで思考力・集中力・記憶力などの向上につながります。
ヨーグルトやオールブランシリアルなどの低GI食品と組み合わせれば、さらなる脳機能アップも期待できます。
ただし、砂糖を使用されているドライフルーツは、GI値が非常に高くなってしまうため、あまりオススメできません。
ドライフルーツを購入する時は加糖されていない製品を選び、果物だけのパワーを活用しましょう。
GI値が意外と低い「チーズ」
チーズには、ノルアドレナリンの分泌を促進するアミノ酸「チロシン」と「フェニルアラニン」が多く含有されています。
そのため、少し集中力が下がってきたなと感じたらチーズを間食として食べることで、パフォーマンスの向上につながるのです。
しかも、チーズは低GI食品なので、血糖値が緩やかに上昇して勉強や試験の妨げになることがありません。
また、乳製品を発行させているため、必須アミノ酸も豊富に含まれており、健康・美容効果も発揮します。
卵とあわせてチーズオムレツにすれば、美味しい間食でありながらも、集中力や思考力アップをより期待できるでしょう。
ただし、チーズは塩分の含有量が多いので、他の食べ物と併用し、あまり食べ過ぎない様に注意してください。
脳機能アップの効果が期待できる「ピーナッツ」
水溶性ビタミンの「コリン」と「レシチン」が含まれるピーナッツは、脳の神経伝達物質の原料となり、脳機能の活性化を図る事が可能です。
集中力を高めるだけでなく、記憶力や思考力アップも助けることができ、間食として手軽に取り入れやすいのもメリットと言えます。
ローストピーナッツは低GI食品ですが、チョコレートでコーティングされたものはGI値が高くなってしまうので、カカオ含有量の豊富な製品を選んだ方が良いでしょう。
また、ナッツ類はカロリーが高いため、間食で食べるとしても1日20粒程度にとどめるようにしてください。
豊富な栄養で勉強をサポートする「あずき」
日本で昔から選ばれてきたあずきは、脳の栄養となるブドウ糖が豊富なうえ、エネルギー変換を助けるビタミンB1も多く含まれているため、疲れた時の頭の回転を助けます。
あずきの赤色はポリフェノールの色素ですが、ポリフェノールは脳の血流量を増加させることから、学習・記憶といった認知効果アップにもつながるのです。
また、ビタミンB2や食物繊維、亜鉛、鉄、サポニンといった栄養素も含まれており、ストレスに強い健康な体作りにも役立ちます。
コンビニやスーパーでも手軽に購入でき、缶詰やパウチなど使いやすい量からお徳用まで様々な内容量が売っているため、テストや試験日の昼食時にも気軽に食べられます。
加糖されている製品が多いですが、GI値をできるだけ高めないよう、砂糖無添加または糖質オフのあずきを選ぶのがベストです。