はじめての子供のプログラミング学習は無料教材がおすすめ
プログラミング学習を始めるきっかけは?
IT社会で活躍できる人材を育てたいと願うのは、多くの親御さんの思いでしょう。
2020年から小学校でプログラミング教育が必修化されたことで、プログラミングへの関心が高まっています。
また、子供自身がゲームやアプリ、ウェブサイト制作に興味を持ち始めたことがきっかけかもしれません。
習い事にプログラミングを選ぶ理由は、子供の将来や興味関心に応じてさまざまです。
プログラミングは論理的思考力を養うのに適しており、問題解決能力やデジタルリテラシーの向上にもつながります。
プログラミングを通して、子供の可能性を広げてあげましょう。
教室に通わせる前に無料教材で試してみたい
全国的にプログラミング教室が増える一方、教室に通うには一定の費用がかかります。
「子供に合っているか不安」「どんな内容を学べるのか想像しにくい」と感じる保護者の方も多いでしょう。
そんな時は、まず無料のプログラミング学習教材を使って子供の反応を見てみるのがおすすめです。
オンラインの無料プログラミング学習サイトやアプリなら、自宅で手軽に始められます。
無料教材を試すことで、子供がプログラミングに興味を持てるかを確認できます。
「面白い!」と感じたら、教室に通うことを検討してみるのも良いでしょう。
ただし、無理に進めることはせず、子供が楽しいと感じるか、子供の様子を見守ることが大切です。
小学校のプログラミング必修化の内容とレベル
小学校で学ぶプログラミングの目的
2020年度からプログラミング教育が必修化されましたが、プログラミング言語の習得が目的ではありません。
育成を目指すのは「プログラミング的思考」で、コンピュータに意図した処理を行うよう指示を出す際の考え方のことを指します。
- 目的に応じて情報を分類・整理する
- 順序立てて物事を考える
- 物事を抽象化したりモデル化したりする
プログラミングを通して育む資質・能力
「プログラミング的思考」は、さまざまな場面で応用できる汎用的なスキルです。
算数の文章題を解く際の論理的な考え方や、国語の文章を書く際の思考の順序立てなど、プログラミングで培った力は、他教科の学習にも役立ちます。
また、アイデアを形にしていく過程で、創造力も養えます。
プログラミングに取り組む経験は、これからの時代を生きる子供たちにとって重要な学びと言えるでしょう。
授業で使われるツール・言語の特徴
小学校のプログラミング教育では、主に「ビジュアルプログラミング言語」を用いて学習します。
これは、コマンドを文字や数字を使ったコードで組むプログラムではなく、視覚的なブロックで表現する言語のことです。
Scratch(スクラッチ)
代表的なツールの一つが、「Scratch(スクラッチ)」です。
ブロックを組み合わせてプログラムを作れるため、初心者でも直感的に扱えます。
絵本やゲーム、アニメーションなどを作りながら、プログラミングの基礎が学べます。
Viscuit(ビスケット)
「Viscuit(ビスケット)」も、小学校への導入が進むビジュアルプログラミング言語の一つです。
「メガネ」と呼ばれる枠に図形をはめ込み、図形同士の関係性からプログラムを組み立てます。
対象は主に小学校中学年以上ですが、直感的に理解しやすいツールです。
これらのツールなら、パソコンの知識がなくても、プログラミング的思考を育む学習ができるでしょう。
コマンドを一つずつ入力するテキストプログラミングに比べ、初学者に適しているのがビジュアルプログラミング言語の魅力です。
プログラミング必修化の新学習指導要領に対応したビジュアルプログラミングが学べるタブレット学習は「小学生向けプログラミング講座まとめ!無料のオンライン学習教材も解説」で紹介していますので、気になる方は確認してみてください。
必修化の内容を理解すれば教室は不要?
小学校の授業で扱うプログラミングは入門レベルであり、基礎的な概念の理解が目的です。
学校の授業に遅れないように、プログラミング教室に通わせるといった必要はないので、習い事としてのプログラミング教室は学校の授業だけでは物足りないと感じる子供向けと言えるでしょう。
また、授業内容で十分かどうかは、子供のプログラミングへの興味関心の高さによっても変わります。
もし「もっと上のレベルに挑戦したい」「具体的に何かを作ってみたい」という意欲があるなら、教室に通うことも検討すると良いでしょう。
プログラミング教室の魅力は、経験豊富な講師のサポートを受けられる点です。
つまずいた時にアドバイスがもらえるので、子供も自信を持って学習を進められることや、同じ興味を持つ仲間と切磋琢磨できるのも大きな利点と言えます。
ただし、プログラミングは強制するものではありませんので、子供の意欲や反応を見極めながら、無料教材も活用して、学習方法を考えていくのがおすすめです。
子供向け無料プログラミング学習サイト5選
プログラミング学習を始めるなら、まずは無料の学習サイトを活用してみるのがおすすめです。
ここでは、子供向けの無料プログラミング学習サイト5つを厳選してご紹介します。
無料で気軽に始められるので、子供の年齢や興味・レベルに合わせて、最適なサイトを試してみてください。
Code Studio(コードスタジオ)
Code Studioは、子供向けプログラミング学習サイトの中でも、特に幅広い年齢層に対応しているのが特徴です。
キャラクターと一緒に冒険しながら、プログラミングの基礎概念を身につけていく構成になっているので、子供も飽きずに楽しく学習を進められるでしょう。
対象年齢
4歳以上
特徴
コースは年齢や難易度に応じて分かれており、ドラッグ&ドロップ方式でブロックを組み合わせるビジュアルプログラミングから、JavaScriptを使った本格的なゲーム開発まで、段階的に学べます。
プログラミングが初めての子供でも、無理なく取り組めるサイトです。
Code Studioの公式サイトScratch(スクラッチ)
Scratchは、マサチューセッツ工科大学(MIT)が開発した、世界的に有名なビジュアルプログラミング言語です。
豊富なチュートリアルやサンプルプロジェクトが用意されているため、初心者でも自分のペースで学習を進められるのがメリットです。
対象年齢
8歳以上
特徴
ブロックを組み合わせてプログラムを作ることで、ゲームやアニメーション、インタラクティブな作品など、さまざまなものを創作できます。
また、世界中のユーザーが投稿した作品を見たり、アレンジしたりできるので、創造力を刺激し合える環境が整っています。
Scratchの公式サイトCode Combat(コードコンバット)
Code Combatは、ファンタジー世界を舞台にしたRPG風のプログラミング学習ゲームです。
プレイヤーは、ヒーローを操作して謎を解いたり、モンスターと戦ったりしながら、Python、JavaScript、CoffeeScript、Lua、Clojureなど、実際のプログラミング言語でコードを書いて冒険を進めていきます。
対象年齢
小学生以上(読み書きができるレベル)
特徴
ゲームの進行に合わせて、プログラミングの基礎からオブジェクト指向、データ構造、アルゴリズムなど、本格的な内容まで段階的に学習できるのが魅力です。
ただし、ある程度のタイピングと英語力が必要となるため、対象は小学生以上が望ましいでしょう。
Code Combatの公式サイトプログラミン
プログラミンは、文部科学省が開発・監修に関わった学習サイトです。
コマンドブロックには、「〇歩動かす」「もし〇〇なら」といった日本語の説明が付いているため、英語が苦手な子供でも取り組みやすいでしょう。
対象年齢
小学校高学年以上
特徴
アニメーション制作に特化しているのが大きな特徴で、ゲームキャラクターを動かしたり、オリジナルのアニメーションを作ったりしながら、プログラミングの基本を学べます。
作品を友達と共有したり、他の人の作品を見たりできる機能もあり、創作意欲を高めてくれます。
※現在は提供終了しています。
Progate(プロゲート)
プロゲートは、実際のプログラミング言語を使って学べるサイトです。
HTML、CSS、JavaScriptをはじめ、Ruby、Python、Javaなど、幅広い言語に対応しています。
対象年齢
13歳以上
特徴
学習の流れは、まず短い解説動画を見た後、実際にコードを書いて演習問題を解くという形式。
正解すると先に進め、つまずいた場合はヒントを参考にしながらトライできます。
サイトは全て日本語なので、英語が苦手な子供でも安心して取り組めるでしょう。
無料版のプロゲートでは、各言語の基礎編を学ぶことができるので、本格的にプログラミングを学びたい中高生におすすめのサイトです。
Progateの公式サイト子供向け無料プログラミング学習アプリ5選
子供がプログラミングを学ぶなら、スマホやタブレットで気軽に遊べる無料アプリもおすすめです。
ここでは、子供向けの無料プログラミング学習アプリ5つをご紹介します。
お子さんの興味や発達段階に合ったアプリを選んで、一緒に楽しんでみてください。
Viscuit(ビスケット)
ビスケットは、自分の描いた絵をプログラミングで動かせる、Springin'に似たコンセプトのアプリです。
「メガネ」と呼ばれる枠に絵や図形をはめ込み、それらを線で結んで関係性を定義することで、プログラムを組み立てていきます。
対象年齢
3歳以上
特徴
「ロボットを動かす」「音楽に合わせてキャラクターが踊る」など、シンプルな操作でインタラクティブなコンテンツが作れるのが魅力。
直感的でわかりやすいビジュアルプログラミングにより、幼児でもプログラミング的思考を育めるでしょう。
アプリ本体およびすべての機能が無料で利用でき、作品のオンライン共有にも対応しています。
スマホだけでなく、パソコンやタブレットからもアクセス可能です。
Viscuitの公式サイトLightBot(ライトボット)
LightBotは、ロボットを操作して、ステージ上の特定のマスを全て光らせるパズルゲームです。
ロボットに「前進」「右折」「ジャンプ」などの命令を組み合わせて、目的地まで誘導します。
対象年齢
4歳以上
特徴
命令は視覚的に表現されているので、読み書きができない子供でも直感的に遊べるのが魅力です。
パズルを解くごとに、プログラミングの基本的な考え方である「順次処理」「繰り返し」「条件分岐」などが自然と身につく仕組みになっています。
アプリは無料でダウンロードでき、最初の数ステージは無料で遊べますが、より難しいステージに挑戦したい場合は、アプリ内課金が必要になります。
LightBotの公式サイトSpringin'(スプリンギン)
Springin'は、自分で描いた絵をプログラミングで動かせるアプリです。
絵に動きを付けるには、「動く」「音が出る」「繰り返す」といったアイコンを組み合わせます。
対象年齢
6歳以上
特徴
テキストを一切使わないビジュアルプログラミングなので、未就学児でも楽しめるでしょう。
このアプリの特徴は、作った作品をオンラインギャラリーに投稿し、他のユーザーと共有できること。
アプリ内の仮想通貨で作品を売買する機能もあり、プログラミングだけでなく、経済観念やデザイン力も養えます。
アプリ本体は完全無料で、広告表示もなく、作品づくりに必要な素材も無料で提供されているので、安心して利用できます。
Springin'の公式サイトCodeMonkey(コードモンキー)
CodeMonkeyは、子供向けのプログラミング学習ゲームで、イスラエル全土の小学校で使われているプログラミング学習教材です。
プレイヤーは、ブロックを組み合わせてコードを作成し、主人公の猿を操作して、バナナを集めながらステージをクリアしていきます。
対象年齢
8歳以上
特徴
CodeMonkeyは、CoffeeScript(JavaScript)という実際のプログラミング言語を使用しているのが特徴です。
ゲームを進めていく中で、変数、ループ、条件分岐、関数など、プログラミングの基本的な概念を学ぶことができます。
本格的なコーディングを体験できるので、将来プログラミングを学ぶ上での土台作りにもなります。
無料版では、最初の30ステージをプレイできますが、さらに学習を進めたい場合は、有料プランへの加入も検討してみましょう。
※株式会社ナガセとの独占契約により、現在日本国内からは利用ができなくなっています。
「東進CODE MONKEY」として一部無料体験が可能ですが、月額5,500円(税込)からとかなり高額になったため、気軽に利用するのが難しくなりました。
Minecraft(マインクラフト)
マインクラフトは、サンドボックス型のゲームで、プレイヤーが自由に世界を探索し、構築できるのが特徴です。
ゲームを通して、設計図を描く力、問題を分析し解決する力、創造力などが自然と身につきます。
対象年齢
10歳以上
特徴
プログラミング的思考を育む上でも優れたツールのひとつとして教育現場でも導入されています。
基本的に無償で提供されているもので、プログラミングが学べるものは、教育版マインクラフト(Minecraft: Education Edition)の無料体験レッスンモードです。
この体験版ではゲーム内でBlocksやPythonなどの言語を使ってプログラミングを体験することが可能です。
ただし、マインクラフトは自由度が高い分、ある程度の知識とプログラミングスキルが求められます。
また、教育版はパソコンやタブレットで体験できますが、ニンテンドースイッチなどでプレイできるマイクラ統合版では、プログラミングの要素が薄くなってしまうので注意が必要です。
Minecraftの公式サイト子供のプログラミング学習で気をつけたい3つのポイント
子供の興味・レベルに合った教材選び
プログラミング学習を始める際は、子供の興味や発達段階に合った教材選びが重要です。
子供の年齢やスキルレベルに合わない教材を選ぶと、挫折感を味わってしまう可能性があります。
教材選びの際は、以下の点に注目しましょう。
- 対象年齢:教材が推奨する年齢に合っているか
- 難易度:子供の現在のスキルレベルに適しているか
- 興味:子供が興味を持てるようなテーマや内容か
- 言語:日本語対応か、英語力は必要か
また、初めてプログラミングに触れる子供には、ビジュアルプログラミング言語を採用した教材がおすすめです。
ブロックを組み合わせるだけで直感的にプログラミングができるため、子供でも取り組みやすいでしょう。
教材選びに迷ったら、まずは無料で試せるサイトやアプリを活用してみるのも一つの方法です。
子供の反応を見ながら、徐々に学習内容を深めていくことが大切です。
最初は子供と一緒に遊んでみる
プログラミング学習を始める際は、保護者の方も一緒に教材に触れてみることをおすすめします。
子供と一緒に遊びながら、プログラミングの基礎概念を理解しましょう。
一緒に学ぶことで、以下のようなメリットがあります。
- 子供の理解度や進捗状況を把握できる
- つまずいた時にサポートしやすくなる
- 子供のモチベーションを維持しやすい
- 保護者自身のプログラミング的思考も養える
初めのうちは、保護者が主導権を持って一緒に進めていくのが良いでしょう。
子供が徐々に自立して学習できるようになったら、サポートを減らしていきます。
ただし、子供の自主性を尊重し、試行錯誤を通して学ぶ姿勢も大切なので、保護者が過干渉にならないよう注意が必要です。
時には失敗することもありますが、それもプログラミング的な思考を身に付ける学習の大事な一部ですので、子供のペースに合わせて、見守ってあげることが重要です。
子供の反応を見て必要なら教室も検討
子供がプログラミング学習に興味を示し、もっと深く学びたがっている場合は、プログラミング教室への通学も検討してみましょう。
プログラミング学習を通して、子供の論理的思考力や問題解決力、創造力を伸ばしていくことができます。
プログラミング教室のメリット
- プロの講師からの直接指導が受けられる
- カリキュラムに沿って体系的に学習できる
- 同年代の仲間と切磋琢磨できる
- 最新の機材や設備が整っている
プログラミング教室選びのポイント
- 講師の質:わかりやすく、子供に適した指導ができるか
- カリキュラム:子供の目的やレベルに合っているか
- 教室の雰囲気:子供が通いやすく、居心地の良い環境か
- 料金体系:無理のない範囲で継続できるか
教室に通う前に、無料の体験レッスンを受けてみるのもおすすめです。
子供の反応を見て、教室の雰囲気を肌で感じることで、判断材料になるはずです。
プログラミング教室に通うかどうかは、あくまで子供の意思を尊重することが大切です。
学習塾のように、保護者の意向で無理に通わせるのは避けましょう。
子供の興味や意欲を最優先に、一緒に相談しながら柔軟に学習方法を選んであげてください。