小学生のプログラミング授業って何をするの?家庭でできる準備と対策

2020年に必修化されるプログラミング教育ですが、「なぜ必要なの?」「どんな授業をするの?」といった保護者の疑問や不安は尽きません。
今回はプログラミングの授業の目的や内容、そして家庭でやっておきたい準備など、今のうちに理解しておきたい事項を解説していきます。

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プログラミング教育を必修にしたワケ

IT企業の人材不足が顕著に

パソコンやスマートフォン・タブレット、生活家電やインターネットなど、IT技術は今や欠かせないものになっています。

しかし、その生活や仕事を支えているIT分野は、実は深刻な人材不足に悩まされているのが現状です。

経済産業省による調査結果では、2020年に36.9万人、2030年にはなんと78.9万人もの人手が足りなくなると予測しています。

IT人材が不足すると、システムの保守・管理が滞ってしまったり、新たな技術の開発やサービスの提供などに影響を与え、様々な面で仕事や生活に支障をきたす恐れがあるのです。

IT分野の人手不足は世界的に深刻化

この人材不足は日本に限らず、アメリカなどの諸外国でも起こっている世界的な問題です。

ビル・ゲイツやマーク・ザッカーバーグらも参加する米国のNPO法人Code.orgの調査結果によると、2020年の雇用機会では日本より多い約40万人の人材が絶対的に不足するとしています。

子供たちの未来を作り、生活を支えるためには、小さい頃からIT技術に慣れ親しんで、将来の人材を確保することが急務になっているという事なのです。

世界に後れを取る日本のIT分野

上記のようなIT人材の不足が深刻な状況において、日本は先進国でありながら、IT分野においては諸外国の後手を踏む形になっています。

2018年に発表された「世界デジタル競争力ランキング」を見てみると、日本は世界63か国中22位と苦い順位となりました。

日本でもなじみ深いGoogleやApple、Amazon、Microsoftなどはすべてアメリカの企業ですし、SamsungやLGは韓国の企業ですから、外国の会社によって日本人の生活が支えられていることが分かります。

さらに、世界一デジタル化が進んでいるシンガポールや、IT先進国として名高い北欧各国も優れた人材を輩出しており、日本はまだまだ後手に回っている状況です。

世界に追いつけ!日本人の技術力アップが未来を拓く

ICT教育とは?メリット・デメリットと今後の展望や効果を解説!」でも少し触れていますが、日本がIT分野においても大きな成果を残し、世界と対等に戦っていく事ができなければ、日本の産業は徐々に衰退してしまいます。

そこで、他国ではすでに導入されているプログラミング教育を日本でも導入し、第4次産業革命の時代でも活躍できる人材を作っていきたいというのが、日本政府の狙いなのです。

プログラミングの授業を受けることは、子供たちが情報収集・活用する力を高めることにも繋がり、IT分野以外でも能力を発揮します。

プログラミングの授業で目指すものとは?

論理的に考える力「プログラミング的思考」を養う

プログラミング教育の主たる目的は、文部科学省の言う「プログラミング的思考」を育てることです。

プログラミング的思考というのは、IT分野の知識や技術で使える学びという事ではなく、論理的に考えて行動に結びつける力という事です。

たとえば、自分がある行動を行うために「どのように動く必要があるか」「どの組み合わせをすれば良いか」といった視点から、実現までの過程を論理的に考えられるようにします。

このプログラミング的思考は、社会の中で生きるために身に着けておきたい力であり、IT人材だけでなく幅広い職業で必要になるため、小学生のうちから授業として取り入れることが大切なのです。

算数・数学の学びを具体化するイメージ

今までも論理的思考力を養う学びは、算数や理科といった授業の中で教わってきました。

例えば、中学2年生で勉強する証明問題はまさにそれで、「AはBだから、Cの結論になる」という事を学んでいきます。

この前身は小学生のうちから学んでおり、科目で言うところの「場合の数」や「推理算」が当てはまります。

プログラミング教育は、算数や理科などの決まった授業だけにとどまらず、あらゆる教科の授業で「なぜ」「どうして」を考える機会を持つことで、論理的な思考力を育てていくのです。

先の見えない時代をたくましく生きる子に

社会の流れは急速な国際化・IT化が進み、様々な分野において大きな変動が起こっています。

その中で、一層活躍できる人材を育てるためには、他者とコミュニケーションを取る力が必要不可欠です。

人と上手く関わるためには、表現力や協調性、親切心など様々な要素が必要ではありますが、論理的思考も重要なポイントです。

中学、高校、大学と進学するにつれて議論をする機会が増えてくる事も考えると、自分の考えを言葉で丁寧に伝えられる力は小学生のうちから身に着けておきたいものです。

論理的思考が育つのは5歳ごろから

おしゃべりの時期である4歳を過ぎ、5歳ごろになると少しずつ論理的な考え方が分かるようになってきます。

つまり、小学校に入ったころから授業を通してプログラミング的思考をしっかり学ぶことで、基礎力が高まり、苦に感じることなく自然と身に着けることができるのです。

考え方が柔軟な小学生のうちにプログラミング教育を導入し、社会に取り残されない希望溢れる子供たちを育てることも、授業に導入することのメリットです。

実は違った!プログラミング教育に関するよくある誤解

1.「プログラミング」という必修科目や授業は新設されない

現段階では、プログラミング的思考を学ぶのに、新しい教科・科目が親切される予定はありません。

あくまでも、現在行われている各教科の授業の中で論理的に考える時間を増やすことで、教育を行っていきます。

また、新指導要領の中では、プログラミング教育の特別な時間を設けておらず、単元で導入する例などしか挙げられていません。

つまり、どのような内容をどの授業で行うのかは各学校の判断となり、すべての学校で同じ学びが行われる訳ではないのです。

プログラミング教育が開始される直前には、通っている学校でどのような授業が展開されるのか、しっかりと情報を集めましょう。

また、未就学児のお子さんがいるご家庭では、各校で行われるプログラミング教育の特性を聞くことも、学校選びの1つの参考になります。

2.パソコン・タブレットを使った授業が増える訳ではない

プログラミング教育と聞くと、タブレット学習の様にパソコン・タブレットといった端末を使った授業をイメージする方が多いのですが、ICT機器を使わずに実施される事もあります。

もちろん、現在はICT化が進められている学校も多いため、以前に比べると電子機器に触れる機会は増えますが、それがプログラミング教育であるとは限りません。

あくまでも論理的思考を身に着けるための教育ですから、今までよりも自分で考えたり、同級生と議論をするといった授業が増えることが想定されます。

3.コーディングやアプリ製作はしない

プログラミング教育という名前が混乱を招いていますが、アプリやホームページ、ロボットを作るような専門知識やプログラミング言語、コーディング、製作技術を学ぶための授業ではありません。

IT分野の人材を増やしたいという目的はあるにせよ、小学生のうちにプログラマーを育成する訳ではありませんから、具体的な内容に踏み込む授業は行わないのです。

もちろん、プログラミング的思考に関連して何かを作る事で学びが深まり、子供の達成感や実感に繋がりますので、その点を重視したい方はプログラミング講座や教室を活用すると良いでしょう。

また、最近では無料でプログラミング学習が可能なサイトやアプリも充実しているので、興味がある場合は一度試してみて、子供の反応を見てみるのもいいかもしれません。

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新たな授業に向けて、家庭での準備は必要?

プログラミング教育も「国語や算数の勉強と同じ」だと考えよう

小学生になって勉強が始まると、家庭でも予習・復習を行って学びを定着させたり、勉強の習慣を身に着けます。

プログラミング的思考も同じように、家庭で考える経験が多い方が身につきやすく、論理的に考える力が一層高まります。

家庭内で簡単に行えますから、2020年のプログラミング教育は始まる前や小学校に上がる前にから取り入れ、準備をしておくと授業が始まった後もスムーズに馴染むことができます。

感性を育てる事も大切に

さらに、家庭内の準備では「なぜ、どうして」といった論理的に考える機会を増やすだけでなく、感性を豊かな子に育てることも大切にしましょう。

社会においては論理だけで物事は進みませんし、論理の結果が必ず正しいとは限りません。

論理と併せて感性を育てていくことで、物事の本質を捉える力、柔軟に発想する力、コミュニケーション力などが向上し、社会で一層大切にされる人に育つのです。

家庭でもできる!プログラミング授業に備える対策

3~4歳の時期に「言葉の力」を育成する

幼いころから絵本の読み聞かせをしたり、たくさん会話をすることで、思考力の基本となる言葉の力を育てましょう。

聞くこと、話すことを楽しいと感じることが大切ですから、笑顔で、優しく、否定せずに声掛けをすることが大切です。

3歳前後までは言葉を知り、溜め込む時期ですから、言葉数が少なくても心配する必要はありません。

親御さんが色々な言葉を使い、それを聞く事が4歳ごろになって表現力として現れますので、多くの言葉に触れる事を意識してください。

自分で物語を考える習慣を

お話が少しずつ上手くなってきたら、子供自身が物語を作る機会を増やしてみましょう。

絵本などで分かるように、物語を作る事は論理的思考力、想像力、表現力、語彙力、集中力などが養われるため、非常に優れた脳のトレーニングになります。

最初は短い物語からはじめ、少しずつ登場人物を増やしたり、物語の肉付けなどをして、オリジナリティ溢れるお話を作りましょう。

最初は上手く作れない事もありますが、「ウサギさんはその後どうしたの?」「ハチさんはどこへ行ったのかな?」など親御さんがフォローしながら進めると、次第に物語づくりにも慣れてくるでしょう。

また、出来上がったお話は紙芝居や絵本にしたり、祖父母や園の先生・お友だちなどに発表して、褒めてもらえる機会を増やすことも大切です。

5歳ごろから子供に考えさせる声掛けを

子供は5歳ごろから、論理的思考力が発達するようになるため、年長さんの時期にはより具体的に考える声掛けをすることが重要です。

親が決めるのではなく、子供が選択肢の中から自分で選び、なぜそれを選んだのか「Why」の部分を言葉で発言できるように促しましょう。

たとえば、「キリンとゾウならどちらが好き?→キリンが好き!→どうして?→背が高くてかっこいいから」といった簡単な内容からで構いません。

なぜ、どうしての問いに慣れ、自分の考えを発言する機会を増やすと、小学校でのプログラミング教育も苦手意識を持たずに取り組めます。

「How」の発言も促そう!

論理的思考の基本となる「Why」の質問と同じだけ大切にしたいのが、「How」の視点です。

自分はどう思うか、もし自分だったらどうするかを考えることは、感性と教養の成長に繋がります。

絵本やテレビ番組の内容、家族やお友だちとの会話などから膨らませる事もできるので、テーマに困ることはありません。

小学生になったらプログラミング講座で習慣化!

小学生になったら、より一層本格的にプログラミング的思考を学ぶトレーニングを、ご家庭でも行いましょう。

学校の授業はどうしても考える事に重きをおくため、学びの達成感や満足感を得にくいと予想されます。

そこで活用できるのがプログラミング講座で、遊びながら論理を学んだり、何かを自分で作る事で学びの集大成が得られ、より積極的に取り組むことが可能です。

地域・場所を選ばないオンライン学習の活用を

プログラミングは、子供にさせたい習い事第1位になるほど人気が高く、人気の教室は常に満員状態です。

入会できる機会を待っていると、子供の学習機会を失ってしまうため、自宅で取り組めるオンラインのプログラミング講座を活用すると良いでしょう。

教室に通うタイプに比べて費用も安く、他の習い事などとの併用もしやすいため、気軽に導入できるのもメリットです。

今、人気の教材は「小学生向けプログラミング講座まとめ!無料のオンライン学習教材も解説」で紹介していますので、併せて確認してみましょう。

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